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部屋の中、クローゼットから拓哉くんとの思い出が詰まっている大きな箱を引きずり出す。
映画の半券、ぬいぐるみ、写真。その中に新たに、クマのボトルに入れられたこんぺいとうと、夏祭りで取ってもらったすでにしぼみかけているヨーヨーを入れる。
詰め終えた後、部屋の窓を全開にさせた私は、薬指についている誕生日にもらったガラスの指輪を外すと、外に向かって思いっきり投げた。
「はっ…」
けど、すぐに冷静さを取り戻し、急いで指輪を探しに外へと飛び出す。
相当焦っていたのか、走り出すと『パリッ』っと、何かが弾けたような音がする。
恐る恐る足を退けると、そこには粉々に砕け散っているガラスの指輪。
拾う気力さえも失い、空を見上げる。
「私、一人じゃなんにもできない…」
粉々になったガラスの中で、唯一形が残っている指輪の中に埋められていた青い花。
それをつまんだ時、別れたことの重さ、失ったものの大きさを実感し、声を上げて泣いた。
泣き叫んだ。
好きだから嫉妬した。
好きだからこそ許せなかった。
ねぇ、拓哉くん。
「あなたはこれから……前に進んでいってしまうの……？」
まだこんなに、こんなに、こんなにも想ってる。
「……私を置いて」
でも拓哉くんはもう明日から隣にはいない。
「一人で……それとも、他の誰かと……前に進んでいってしまうの……？」
放したのは私なのに。
手を放せば楽になれると思っていた。
苦しみから抜け出せると思ってた。
でも、手を放すことのほうが、ずっと、ずっと、苦しいものなんだね。
失ってから気づく、一番大切なもの。
私は一番大切なものを、何より必要だったものを、自らの手で失った。
12月22日、クリスマスを目前にして、私の初恋は終わり、愛する人を失うことの痛みを、初めて知ったんだ。
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アババ - はんなり豆腐さん» いえいえ笑こんな駄作を読んで頂けていることに感謝です…！ (2020年4月7日 20時) (
レス) id: fcf1d7c074 (このIDを非表示/違反報告)
はんなり豆腐(プロフ) - アババさん» うるさいやつですがそんなに優しく言っていただいて嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年4月7日 19時) (レス) id: dba7803696 (このIDを非表示/違反報告)
アババ - はんなり豆腐さん» もう、全然構いませんよ！逆に読者の方々とやり取りできるのは、ジャニオタとしても作者としても嬉しいかぎりです…！ (2020年4月7日 11時) (レス) id: fcf1d7c074 (このIDを非表示/違反報告)
はんなり豆腐(プロフ) - アババさん» はい！もーアババさんがうざって思うぐらいコメントさせていただきます！ (2020年4月7日 1時) (レス) id: dba7803696 (このIDを非表示/違反報告)
アババ - はんなり豆腐さん» うわー、マジですか笑お話の構成うまくいってないかなーって思ってたんで安心しました…(ホッ 続編でもご感想お聞かせくださいね！ (2020年4月6日 16時) (レス) id: fcf1d7c074 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アババ | 作成日時：2020年2月16日 17時
