窪谷須くんの恋愛事情

15.英姿颯爽 ページ16

横目で楠雄を眺めながら説教してくる二人に「大丈夫だって、ちょっとしくじっただけ」と笑って見せる。
照橋さんは可愛らしく頬を膨らますし亜蓮は不機嫌なのを隠しもしない。
何で亜蓮が怒ってるんだか……。照橋さんは許す。むしろありがとう。
「いっつもいっつも後先考えず動くんじゃねぇ！返事は…？」
「はいはい」
「Aちゃん、ハイは？」
「一回です…。すいません」
何か今日みんな怖いよ。私そんな悪いことした？謝ったじゃん。
女の子は風船が戻ってきて嬉しそうだったし。終わり良ければ全てよ…(良くないだろ)
味方ゼロじゃねーか！
しくしくと泣き真似をしている私を無視して「そういえば、二人は何でここに……？」と不思議そうに照橋さんは亜蓮に尋ねた。
亜蓮が助けを求めるようにこっちを向いてるが、
私は知らんからな。
(酷いな……)
お前が言うか、それ。
てか、楠雄、ゲルマニウムの指輪はどうした？
(お化け屋敷出た位でお前らに気付いたからな、一応外しておいた。)
え、そこから気付いてたの……。
私達が馬鹿みたいじゃないか。
(みたいじゃなくて馬鹿なんだろ)
ばっ、ば⁉おま、それはアカン…。
か弱い乙女にそれはない、引く。
(か、か弱い乙女……(迫真))
分かった。最後の言葉はそれでいいな？

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