気になる先輩 (ページ2)

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あれから、
私たちは毎日食堂で昼食を食べるようになった。

消極的な私に対してセナちゃんは積極的で

偶々空いていた川西先輩たちのいるテーブルの、
後ろのテーブルを選んだのだ。

その日からずっと、
この席と座る位置が固定のようになっていた。

川西先輩と私はお互いに背を向けているので
顔は見えないけれど、

すぐ後ろに先輩がいるのだという緊張と嬉しさに
毎日心臓を落ち着かせるのに必死だった。

そもそも私なんかが川西先輩の視界に一度でも
入ったことがあるのかすらも分からないけれど、

こうして近くでご飯を食べられるだけで十分すぎる
くらいだった。

鶴「A手止まってんで。お腹減ってないん？」

木「先輩の近くにいれる幸せを噛み締めてるんだよ。

Aちゃん、それ食べないなら僕にちょうだい」

『ち、ちがうから！ご飯もちゃんと食べるし！』

目の前でおかずを頬張りながら言ってくるのは
仲の良い友人たちの中で最も厄介な2人、
鶴房汐恩と木全翔也である。

「でもほんとは嬉しいでしょ〜？」

そしてセナちゃんもまた、恋愛になると厄介で。

私は、この3人によって繰り広げられる会話が
川西先輩たちに聞こえないか心配で仕方なかった。

背中に先輩を感じながらご飯を口の中に含めば、

鶴「取られる前にはよ告白したらええやん」

「ほんとだよね〜、Aはおとなしすぎるよ」

恋愛は強引なくらいが丁度いいんだよ、なんて
先輩にも聞こえるくらい大きな声で言ってくるもの
だから、
慌てて隣にいるセナちゃんの口を押さえた。

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