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長峰さんから手を離し崩れ落ちるように座り込んだ




長峰「あの日から連絡をとっていないとAちゃんから聞きました」

江口「…はい」

長峰「Aちゃん次の日も出勤してくれたんです。しばらく休んでもいいと伝えたのに」

江口「…」

長峰「Aちゃんは…彼女達は本当に強いです」




長峰さんが窓の外に目を向けるのを見て視線を辿ると白杖を着いた男性が泣いている子供に気づいて声をかけていた
迷子だろうか。すぐに母親らしき人がやってきてお礼を伝えていた




長峰「実は僕には目が不自由な妹がいるんです」

江口「そうだったんですか…」

長峰「2人とも凄く似てるんですよ。体が不自由である事を疎まず自分の個性だと自信を持って生きてる。いつも元気で真っ直ぐで…エネルギーとパワーに満ち溢れている。
Aちゃんと出会ったばかりの頃何度も彼女に励まされました。貴方もそうじゃないですか?」

江口「はい…その通りです」

長峰「僕は彼女達には支えが必要で手を差し伸べるべき相手だと思ってました。でも違った。手を差し伸べてくれるのは彼女達の方で勇気を貰っているのはいつだって僕達健常者だ」




彼が発する一音一句が胸に重く響いた
心からの本音だろう。




長峰「僕は難聴者のAちゃんとしてではなくただの1人の女性として彼女を支えていきたいと思っていました」

江口「!」

長峰「でもAちゃんがその役目を許したのは貴方のようです。だから江口さん…これ以上彼女を泣かせないでください」




ずっと冷静だった長峰さんは今初めて表情を変えた





長峰「話はそれだけです。突然引き止めてしまいすみませんでした」

江口「こちらこそ乱暴にしてすみませんでした」

長峰「いえ、当然の事です。今後はこんな事が無いようしっかり教育していきます」

江口「よろしくお願いします」




お互い深々と頭をさげて店を後にした


まさかAちゃんが嫌がらせを受けていたなんて…なんで気づいてやれなかったんだ。
あの時もっと本気で問い詰めて話を聞いてあげていたら…

その上傷心しているAちゃんをあの場に置き去りにして…これならあのまま長峰さんと一緒の方が良かったはずだ。なのに俺が追い打ちをかけてしまった。




江口「最低だな…」




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はっとり(プロフ) - 79m645x7ftさん» ありがとうございます!更新頑張ります😖 (12月17日 21時) (レス) id: 623881151d (このIDを非表示/違反報告)
79m645x7ft(プロフ) - ずっと好きでみさせてもらってます!!更新頑張ってください! (12月17日 20時) (レス) @page28 id: dad2f886bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はっとり | 作成日時:2022年12月13日 21時

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