声恋3【江口拓也】

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開店後、私は何をしたらいいのかサブチーフである坂本さんに聞いた




坂本「貴方はとりあえず掃除でもしてて」

貴方『掃除はとりあえず開店前に終わらせましたが他にどこを掃除したらいいですか？』

坂本「そんな事くらい自分で考えなさいよ！」

貴方「！」

坂本「私は忙しいのよ。なんで貴方みたいなめんどくさい人を押し付けられなくちゃいけないわけ」

貴方「…」

坂本「とにかく暇なら掃除でもしてなさいよ」




そう言うと坂本さんは売り場へ行ってしまい、取り残された私を周りの人達はクスクスと笑って見ていた
…とにかく掃除だ。

隅から隅まで掃除をしてメイク道具も一つ一つ丁寧にホコリを取り除いた




「すみません、この色って置いてますか？」




お客様に声をかけられ『少々お待ちくださいませ』のカードを取り出しそれを見せた
お客様は私の胸元に付いていた耳が不自由のバッジを目にして察してくれたらしくニコリと笑顔で頷いてくれた




貴方『すみません、このシリーズの08番って置いてますか？』

坂本「どのお客様？」

貴方『あちらのお客様です』

坂本「私がいくから貴方はどいてて」




そう言って坂本さんは化粧品を取り出しお客様の元へ行ってしまった
また取り残されてしまった私は掃除をするしか無かった
こんな事でいいのかな…何も力になれていない。





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