声恋3【江口拓也】 (ページ1)

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腕につけていた難聴者専用の目覚まし時計が作動して振動が伝わってきたが無視して布団の中に潜り込むと体を揺さぶられた

江口「Aちゃーん」

貴方「んん…」

江口「目覚まし鳴ってますよー笑」

貴方「…ん！」

江口「ひひっ笑起きないと遅刻しちゃうよ〜」

貴方「んーん！！」

まだ起きたくなくて必死に抵抗していると思い切り布団を剥ぎ取られてしまいゆっくりと目を開けた
うっすらと視界に入る拓也さんはいつものように笑っていてちょっとむくれた顔で見つめながら腕を上げると抱き起こしてくれた

江口「おはよ笑」

貴方「おぁょ…」

江口「寝ちゃダメだよ笑、ほら顔洗いに行くよ〜」

拓也さんに洗面所まで連れていかれてしぶしぶ顔を洗ったがまだ目が覚めずウトウトしていると歯磨き粉を着けた歯ブラシを私に握らせた

江口「はい、ちゃんと磨きましょーねー」

されるがままの状態でおもむろに歯磨きを始めると拓也さんは一度だけ私の頭を撫でてリビングへ行ってしまった
拓也さんはだらしないように見えて意外としっかりものだ。
長男らしいし面倒見もいいから私もついつい甘えてしまう
なんて事を考えていたらまたウトウト…

江口「こら笑」

貴方「！」

江口「今寝てたでしょ？笑」

ニヤニヤと見つめてくる拓也さんに頭を振ると楽しそうに笑いながら隣で歯磨きを始めた
歯磨きが終わる頃やっとちゃんと目が冷め始めて拓也さんが終わるのを隣で見守った

江口「やりづらいからそんなに見ないで笑」

貴方「ふふっ笑」

口の周りに歯磨き粉をベッタベタに着けて喋る拓也さんを見て微笑んだ
うがいをした後今度は髭剃りを始めようとしているのを見て服の裾を掴みクイクイ引っ張った

江口「ん？」

貴方「ん！」

不思議そうに首を傾げている拓也さんに自分の唇を指さした
理解したのか嬉しそうな笑みを浮かべると私の頬に手を添えそっと唇を重ねてくれた
唇を離すとポンッと頭を撫でて髭剃りをしようとする拓也さんの腕を掴み人差し指を立てた

江口「えっ？笑もう1回？」

貴方「ん」

頷くと若干呆れたように笑いながらもリクエストに答えてくれた

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