幸せの魔導書【ブラクロ】 (ページ9)

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『下民は下民。あなた達貴族が言う度に私も貴族は貴族だなって思います…
これは私のライバルまで悪く言った天罰と思ってください』

Aは魔導書を開き、構えた。

｢なんなんだ、この魔は…!!｣

『蒼空(そうくう)魔法彗星(すいせい)の天流(あまなが)れ』

Aが腕を天に翳すと、天から流星群の如く光のようなものがが次々と降ってきた。

それも周りに被害が出ないよう相手に確実に当てて。

｢風属性じゃなかったのかあの子！｣

｢な、なんなんだあの魔法!?｣

相手は当然気絶していた。

こうして最終試験を終えたAであった。

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｢以上で試験内容は終わりだ。それでは、番号を呼ばれた受験生は前へ出てくれ｣

呼ばれた受験生に対してなかなか騎士団長から手が上がることはなく、どんどんとばんごうが迫ってくる。

｢次、164番｣

呼ばれたユノは流石と言うべきか全団からの挙手が上がっていた。

｢全団挙手…！？｣

｢金色の夜明け団でお願いします｣

そしてやはり魔法帝に一番近い所に入った。

次はアスタの番だ。

｢次、165番｣

｢お願いしまぁーす！！｣

アスタは元気よく飛び出して行ったが、手が上がる気配がない。

｢165番、挙手なし｣

｢な…!!｣

｢そりゃあそうだわなぁ｣

なかなかその場から退かないアスタに対して、黒の暴牛団長であるヤミがそう言った。

｢結局魔法騎士に求められるのは、魔力だ。｣

ヤミは圧倒的な魔力を放ち、圧でその場を圧倒する。

そのまま会場に降りてくると、アスタの目の前まで来た。

｢今、俺の目の前でもまだ、魔力のない分際で魔法帝になるとほざけるか？｣

｢ここで、魔法騎士団にはいれなくても、誰に何を言われようと、俺はいつか魔法帝になってみせます！！｣

そう言いきったアスタをヤミは笑って

｢お前、面白い！うちの団にこい！｣

『…!!(良かったアスタ…！)』

Aはほっと胸を撫で下ろした。

｢次、166番！｣

『あわ、私か…！(どうしよう…私だってどこにも入れない可能性あるんだ…)』

恐る恐る前へ出て上を見上げると、

『へ…』

｢な、また全員挙手だと！？｣

｢いやでもあの子もセンスやばかった子か｣

なんとユノと同様全団が挙手していた。

『えと…(まさか選択できるとは思ってなかった…!!何処にしようぅ)』

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