幸せの魔導書【ブラクロ】 (ページ34)

今日:1 hit、昨日:23 hit、合計:30,291 hit

. ページ34

.

金色の団員の土魔法による王都の立体模型で、王都五箇所が襲撃されているのを確認した一同。

彼らはどう対処するかを考えており、なかなか市民たちを助けに行こうとしない。

そんな様子にAもアスタも焦っていた。

｢今のメンバーをどう当てるべきか…｣

｢まずは城周辺の守りを…｣

｢いやこれ何待ち！？｣

その状況にとうとうアスタが声をあげた。

｢助けを求めている奴らがいるのは充分わかった！俺はもう行く！！｣

アスタは走っていく。

｢どこに行くつもりだ！まだ状況を把握仕切れてないし、それにお前は魔力の感知が全く出来んのだろう！｣

｢音のでかい方にいく！！｣

｢動物か！お前は！｣

『ごめんなさい、私も失礼します！』

Aもいても立っても居られなくなり、アスタ同様走っていった。

｢なっ…！？Aまで！｣

『少しくらいなら魔力の感知できるので！！アスタを案内します！』

｢…｣

ユノは走っていくAを見つめながら、少しアスタに似たんじゃないかなどと考えていた。

｢フッ…ははは！面白い！貴様らの力、見せてもらおう！待たんか二人！｣

そしてレオポルドまでが部屋を出ていったのだった。

…

『アスタ！！』

｢お、A！｣

Aはやっとの事でアスタに追いついた。
アスタは見失えば魔力感知では探れないため、全力疾走でついて行ったのだ。

アスタは止まってくれる様子はない。

『ちょ、ちょっと、待って！私案内するから…！！』

｢おう！助かる！｣

やっと足を止めてくれた。
Aは息を切らしながらも魔力を探る。

『…ここから近いのだと、あっちの方から嫌な魔力を感じる』

Aが指を指すとアスタは｢サンキュ！｣と言いながらまた走っていく。

『(は、速い…！！)』

町にはゾンビのような人達が暴れており、貴族達が襲われていた。

ゾンビを魔法で蹴散らしながらもアスタを追いかける。

火に囲まれた場所でアスタが敵らしき人物と対峙してるのが見えた。
アスタは女の子を庇いながら闘っている。

『蒼空魔法彗星の天流れ』

天から光の矢をいくつも出現させ、アスタに向かってくるゾンビ達を撃退する。

かつて入団試験の時と同じ技であったが、その時とは比べ物にならないほどの威力でゾンビ達を跡形もなく消した。

そしてその魔法は流星群のようにとても綺麗で女の子もアスタも、敵でさえ一瞬我を忘れて見惚れるほどのものだった。

.