幸せの魔導書【ブラクロ】 (ページ27)

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｢俺には魔力がない。だけど俺には仲間がいる！！｣

アスタが剣を振るうと水の刃が飛び出し、相手を切りつけた。

｢よくわかんないけど…やったぜ｣

そう言ったアスタだが、その腹には鉱石が刺さっており直ぐに倒れてしまった。

｢がはっ…しくっ、た｣

『｢アスタ！！｣』

Aはミモザにアスタを回復するように頼んだ。

『ミモザさん…アスタは…大丈夫そうですか？』

｢…私の残りの魔力で治せるか…｣

かなり傷が深いらしい。
Aも一緒にアスタに手をかざした。

｢Aさんは魔力を使わない方が…｣

『…魔力はまだのこってます。…傷口を塞ぐまではやらせてください』

背骨はまだ治っていないAはノエルに支えられながらも治癒に集中する。

しかし、

｢魔力がないやつは弱い…弱いやつは死ぬ｣

｢｢！！｣｣

敵がまた目を覚ましてしまった。

｢駄目だ…お前みたいな甘いヤツが…俺に勝っては駄目なんだ!!｣

敵がアスタめがけて魔力を振りかざした。

『(不味い…アスタを守らないと…！)』

誰も動けないこの状況。

｢アスタ！！｣

ユノが風魔法で拘束をといた。

そこからは一瞬だった。

バリバリッ

『｢！｣』

気づいた時には敵の魔法が砕けており、相手も倒れていた。
そして全員の拘束もとけた。

『ユノ…？』

｢なになに？何の魔法？｣

｢さあ…？…何か、小さな子がいて…｣

ユノ自身も何が起きたのかよくわかっていない様子だった。

｢A…大丈夫か？｣

『うん、私は背骨が折れてるだけで』

｢ちょ、何よあんた｣

今までAを支えていたノエルを当然のように引き離そうとするユノにノエルが反発する。

｢いや、俺が運ぶから｣

『私よりもアスタを…』

｢アスタも魔法で運ぶ｣

｢ならAも魔法で運べばいいじゃない!｣

ノエルの正論を無視したユノはAの膝の裏と背中に手を入れると軽々持ち上げた。
いわゆるお姫様抱っこをされるA。

『あう…ごめんねユノ…』

｢いや別に｣

｢な…！？(なんで恥じらいも何もないのこの二人は!!?)｣

見てるこっちが恥ずかしいとばかりにノエルは目を背けた。

｢(べ、別に羨ましいとかおもってるわけじゃないんだから！)｣

そんなことを考えながらもちゃっかりアスタで妄想してしまうノエルだった。

そうこうしていると魔宮が音を立てて崩れ始めた。

『！』

｢魔宮が崩壊する…！｣

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