幸せの魔導書【ブラクロ】 (ページ25)

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『私も手伝うよ！』

アスタが飛び出していったのと同時にAもアスタを援護するべく魔法を発動した。

Aは強化魔法をつかえるわけではない。

ただ大気を操り風をアスタに纏わせて、アスタのスピードを高めるだけだ。

｢うぉお！｣

しかし、アスタの派手な動きに合わせるのは決して楽ではない。

あくまで足でまといにならないよに。

アスタの飛び出したい方向に、アスタが動きたい動きに合わせる。
アスタが次に取りたい行動、アスタの意志道理に魔法を操作しているため並外れた観察力と集中力がいる。

長年アスタと共に過ごしてきたAだからこそ行動パターンを予測できているのかもしれない。

｢｢(速い…！)｣｣

元々のアスタの身体能力にAの魔法が加わり、とてつもないスピードとなる。

思いっきり剣を振りかぶったアスタは敵を打って吹っ飛ばした。

『…ふぅ』

｢おいこらァ！もう終わりかこの野郎！！｣

倒したかにみえたが、敵の魔導書が光った。

鉱石の塊のような物が出てきてアスタを襲う。

『｢アスタ！！｣』

鉱石を纏った敵はアスタを見下ろした。

｢俺は、生まれつき魔力が全くない人間だ。それでも魔法帝になってみせる…それを証明するために俺は生きている！｣

なんとか立ち上がったアスタ。

｢全てを壊すだ！？魔法帝は全てを守る存在だぞ!!そんな奴に、負けてたまるかぁあ！！｣

｢邪魔だ。消えろ石ころ｣

｢石ころは石ころでも…俺は、ダイヤモンドを砕く石ころだああああ！｣

一気に飛び出したアスタは敵の纏っていた鉱石を剣で砕いた。

クラウスが直ぐに敵を拘束した。

…

｢この拘束魔法大丈夫か？｣

｢大丈夫にきまっているだろうが！手負いの者に破られる程脆い魔法ではないわ！みろ、魔導書も応酬した｣

クラウスの話を聞いているのかいないのか、アスタはもしゃもしゃと薬草を頬張っている。

｢まあ、そうカリカリしなさんな。ほら、やくそうたべます？｣

｢お前の食べかけなど要らん！｣

｢ユノは？｣

｢あり得ねえ｣

『あはは…あ、アスタ』

｢おう？｣とAに向き直るアスタに回復魔法を使う。

｢おお！傷が塞がった！｣

｢A、回復魔法覚えたのか｣

『うん。まあ傷を塞ぐことしかできないんだけどね。ユノにもそっちのメガネさんにもやりますよ』

｢め、メガネさんだと…！？私はクラウスだ！｣

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