幸せの魔導書【ブラクロ】 (ページ23)

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｢…Aも一緒に来てるのか？｣

｢そうだぜ！あいつももう立派な魔法騎士！ユノにべったりだった頃とは違うぜ！｣

｢そう…(それにしてははぐれるんだ…)｣

｢とにかく！俺たち黒の暴牛が先にこの魔宮を攻略してやらぁ！！｣

＿＿＿＿＿

…

『うぅ〜(誰もいないい〜…)』

Aは一人薄暗い道に飛ばされ、魔の流れを頼りに歩いていた。

相変わらずそこらじゅうの魔は濃いが、先程から強い魔が動いてるのを感じる。

『蒼空創成魔法天翔る卿雲』

歩いていても時間も体力も浪費するだろうと、Aは雲のようなものを生成するとそれに乗って魔を辿る。

『(多分だけど、あっちにラックさんがいる)』

少し広い場所に出ると、ラックが黒い煙のようなものに囚われているのが見えた。

見知らぬ男がそこにトドメをさそうとしている。

｢今、解放してあげるよ…｣

『ラックさん！！』

Aは雲から飛び降りるとその雲を男に当てた。

｢おっとっと…｣

｢うぉおおおお！！｣

別方向から現れたアスタがラックを拘束していた煙を斬った。

ノエルとAの目が合う。

｢A！無事だったのね！｣

『な、なんとか！』

とりあえず皆合流出来たようだ。

ラックは立ち上がると

｢僕がやる。一人で。仲間なんて要らない。僕一人で。…じゃないと母さんに認めて貰えない｣

そう言って一人突っ走っていった。

アスタも剣を持って飛び出していく。

｢一人になんてさせるかァァ！！

あんたが俺をどう思ってても知らん！勝手にすればいい！俺は勝手に思ってる！あんたは俺の、俺達の仲間だって！！｣

アスタらしい意見にAは笑みを零した。

『…じゃあ私も、勝手ながら援護させてもらいます！』

Aは魔法で少し煙を払うと、佇んでいるラックの背中を押すように風を送った。

｢たしかに、皆で戦った方が楽しそうだね！｣

｢おう！｣

すっかり立ち直ったラック。

｢まずいね…これはもうおじさんも本気で行くしかないね｣

男が魔法書を構えると辺り一面に煙が広がった。

一層濃いその煙は斬っても直ぐに直る。

ラックの作戦で男の不意をつこうという話になった。

ラックは男に雷を連射して追い込むと、見えない場所からノエルとAの魔法でアスタを後押しする。

｢そらぁああ！！｣

作戦は無事に成功し、男の魔法がとけた。

｢確かに大事だね。チームプレー｣

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