幸せの魔導書【ブラクロ】 (ページ18)

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｢相手にするだけ時間の無駄だな…5分だ。
何も知らなかった役立たずな村人もろともとっとと始末し、目的の代物を探すぞ｣

『(目的の代物…？)』

｢無視すんじゃねぇえ！｣

アスタが斬りかかっていくと、後ろにいた一人が霧魔法を放つ。

その魔法をアスタは剣で無効化する。

男は恵外界の人々をまるでものを扱えない獣だと言った。

｢お前が獣と呼んだその人たちは俺が守るべき存在だ！｣

｢そうか、そんなに薄汚い獣共が大事か｣

男は氷を細かくすると、次々とそれを放ってきた。

『(規模の大きい魔法で防ぐしか…!!)

蒼空(そうくう)創成魔法暗晦奈落(あんかいならく)の渦』

Aは巨大な闇の渦ようなものを生成すると飛んでくる魔法を飲み込んでいく。

｢(…なんだあいつの魔法は。厄介だ)｣

それでも四方八方から飛んでくる氷を全部を防ぐことは出来ない。

マグナやアスタが他を防いでるとはいえやはり穴はある。

『…どうにかしないと!!』

Aは創世魔法を維持したまま魔導書を使わずに大気を操り鋭い風の矢を飛ばしてみる。

『よし…！』

同時に魔法を使うのは初めてだったが何とかできる。

｢(二つの魔法を同時に…！)やるじゃねーかA！！｣

｢うぉお！俺も負けてらんねぇ！！｣

ただこの状況をいつまでも続けていられない。
アスタもマグナもAもどんどんと魔力と体力を消費していく。

『う…(もっと大規模な魔法が使えたら…)』

その時、ノエルからとてつもない魔力が放出されるのを感じた。

『!!』

一気に水の壁があらわれ、村人たちを包み込んでいた。

｢私が守る。私は王族。そして、黒の暴牛の一員よ！！｣

水の防御は小さな氷魔法を無効化し飲み込む。

｢てめぇ、ノエ子！やっぱりやれば出来んじゃんか！！｣

『流石ノエル！』

一方アスタは水の壁の中から男の所まで飛び出していき、剣で胸を突いた。

｢お前をぶちのめすっ！！｣

しかし、氷魔法で勢いを殺されたそれは致命傷には至らず氷で反撃された。

｢眠っていろ、永遠にな｣

『な…！』

そのまま男は水の壁へ近づいてくる。

マグナはもう疲れきっており、ノエルは防御を維持しなくてはならい。

『…(私が戦うしか…)』

Aは覚悟を決めて水の防御から飛び出した。

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