幸せの魔導書【ブラクロ】 (ページ13)

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最後の試練。

｢俺の攻撃魔法を防ぐか避けるかしな。
これが出来たらお前も黒の暴牛の一員。このローブをくれてやる。｣

マグナとアスタは魔法書を構える。

『あの、あれって私もやらなきゃダメですかね…』

｢Aはやる必要ないわよ。女の子だもの。あんなありもしない洗礼の儀｣

『(あ、ありもしないものなんだ…)』

そう言ってバネッサはあっさりAにローブをくれた。

｢炎魔法爆殺轟炎魔球

死ねぇぇぇぇえ！！｣

本気を出したらしいマグナ。熱風がAたちにも伝わってきた。

『(あれはやばいのでは…！)』

アスタは瞬時に剣を振りかぶって、その魔法を打った。
反射したその魔法はマグナに向かって飛んでいった。

｢わぁ！打ったよ打った！｣

『よ、良かった…』

｢新入団員を助けずに済んだの久しぶりですねぇ｣

マグナは咄嗟に自分の魔法を打ち消したらしく、どっちにもたいして怪我はなかったらしい。

｢あぁ？魔力がないだぁ？それなのに俺の攻撃をうちかえしやがったのか！
余計かっけぇじゃねえか。さてはお前、漢だな？｣

そうしてみんなに認めて貰えたアスタはマグナから無事にローブを受け取った。

｢これでお前も、黒の暴牛の一員だな｣

｢あざーーっす！！よろしくお願いしまぁす!!｣

『おめでとう！アスタ!!』

Aがいつの間にローブを羽織っていることに気づくアスタ。

｢な！A、いつの間にローブ貰ってたのか!?洗礼の儀は！？｣

『なんか、免除してもらえたというか…』

｢なんだとぉおお！！｣

｢じゃあじゃあ、僕と洗礼の儀！やろうよ！｣

『わっ…！？』

ひょこっとでてきたラックにAは思わず後ずさる。
洗礼の儀にかこつけて本心は戦いたいだけだろう。

『やりませんって！』

｢あはは、Aちゃんは入団試験で全団が挙手してたくらいだからラックとはいい勝負できるかもね｣

フィンラルが何気なく言ったその一言で団員が皆してAを振り返った。

『(フィンラルさんは私になにか恨みでも…)』

｢…へえ。俄然やりたくなってきたな…｣

｢全団挙手？それじゃあ相当強いんじゃ…｣

｢はァ！？んじゃなんで黒の暴牛なんて入ったんだ！｣

『う…その、私なりに限界を越えようと思ったというか…』

皆に詰め寄られ涙目でマグナの問に対する答えを絞り出すA。
その姿はただのか弱い少女であり到底強そうには見えないが、人一倍魔に敏感なラックは本気で彼女と戦いたいと思っていた。

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