幸せの魔導書【ブラクロ】 (ページ2)

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魔導書授与ページ2

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3月
クローバー王国で年に一度に行われる魔導書授与式

教会から魔導書塔に魔導書を受け取りに来たアスタ、ユノ、A。

『わぁ…みてみて！たんぽぽがふわふわって…』

魔導書塔のすぐ側という所。

ホタルタンポポの綿毛の舞っている様をみて、まるで小さな子供のようにはしゃぐAは色んな意味で人目を引いていた。

｢あの子可愛いな｣などと周囲から聞こえてくるが、本人は全く聞こえていない様子で綿毛に夢中になっていた。

アスタはアスタで｢Aが喜ぶってことはこのタンポポ摘んでったらシスターも喜ぶかなぁ？｣などと呑気なことを言っている。

｢はぁ…｣

ユノは1人溜息をつき、ポンッと叩くわけでもなくただAの頭に手を乗せた。

『！』

｢ほら、フラフラしてたら遅れる｣

Aはユノの呆れたような顔に気づくと少し申し訳なさそうな顔をして後をついていくが

『ご、ごめん…すぐ行く！

授与式が終わったら後でゆっくり見るね！』

｢…(あ、まだ見たりなかったんだ)｣

相変わらず少し抜けている彼女であった。

＿＿＿＿＿

＿＿＿

魔導書塔に入ると、壁一面にズラーっと魔導書が並んでいた。

＿＿＿｢ゴホン、それでは。魔導書授与｣

塔主がそう言うと、壁一面の本棚から魔導書が次々に出てきて配られた。

『す、すごい…！』

その光景に見惚れていると、Aの元にも1冊の魔導書が。

真っ白なその魔導書はまるで雪を彷彿とさせるようにAの手元に降りてきた。

『綺麗…』

＿＿＿＿＿｢あのー…魔導書が、来ないんスけどぉ…｣

魔導書が皆の元に届いたところで、そう言うアスタの声が塔に響いた。

『…？』

Aが振り返るとばっちり構えてあるアスタの手に魔導書は確かになかった。

｢えぇ…また、来年｣

｢ええぇえええ！！｣

塔にはアスタの叫びと周りの馬鹿にしたような笑い声が響き渡った。

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