告白 * 05 ページ9
一番に目に入ったのは、モトキの前に立つ祐太と奈々。間に合った、そう思った瞬間。
祐「おっ、来た来た!A、勘違いモトキにちゃんとネタばらししたから」
「えっ、違っ」
奈「Aと釣り合うと思ってるなんて、勘違いもいいとこだから、あははっ」
祐「勘違いのレベルがキモッ」
言葉がでない。モトキを見ると笑いながら"そうだよねー"なんて言っている。
目が合う。
向けられた笑顔は今までに見たことがない悲しい笑顔で、余計心が締め付けられる。
言わなきゃ
本気だって
真剣だって
伝えなきゃ
「モトキ、ちがっ」
"ガラガラ"
教室の扉が開く。
『席につけー、授業始めるぞー』
ちゃんと伝えたいのに、またこんなタイミングで。
ついさっきの授業も全く身が入らなかったが、今回は。
授業が終わったら直ぐに誤解を解こう、皆が言った酷いことも全部謝ろう。苦しくて悔しくて、怖くて。指先がどんどん冷えていく。
早く終われ
早く終われ
早く・・・!
いつもよりも長く感じる授業。ずっとうるさい心臓。冷たい指先。私の席から見えるモトキの後ろ姿はいつもと変わらないのに。なんで。
『じゃぁ、明日までにこのページ解いておくこと』
授業が終わり、勢い良く立ち上がる。そして向かうのは。
「モトキ!違うの、聞いてっ」
顔を上げたモトキの表情が。
苦しい。
苦しい。
「あの、ね、モトキ・・・っ」
その瞬間、モトキが笑顔を向ける。
モ「どうしたの?Aさん」
それは
鋭く
深く
突き刺さる
「・・・何でも、ない」
一瞬にして視界の色を奪われた、そんな感じがした。
そのあとはただただ席に座って、時間が経つのを待った。学校が終わり、柚達に遊びに行くかと誘われたが行く気にもならず断った。モトキを見ると、友達に声を掛けられて、帰っていく。
私は。
家に帰っても、今日のモトキの悲しそうな笑顔が頭から離れなかった。明日は終業式、そして、図書館の約束をした日。
もしかすると、来てくれるかもしれない。
そんな淡い希望と願いが、私の感情を唯一繋ぎ止めていた。今日、名字で呼ばれた事にショックを受けて、謝れなかった。誤解を解けなかった。明日こそは、なんと呼ばれてもいい、誤解を解きたい。謝りたい。
そして。
私の気持ちを伝えたい。
気を抜くと溢れそうになる涙。
また絶対に泣かない、そう決めて、朝を待った。
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#Mitsumaru(プロフ) - めいみさん» やったぜ(笑)楽しみにしてます♪(`ω・´) (2019年2月17日 23時) (レス) id: 4e9cfe60b6 (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - 雨さん» ありがとうございます!そう言って頂けるとすごく嬉しいです(つд;*)お話も終盤ですが、二人の恋を見守って頂けると嬉しいです♪ (2019年2月17日 22時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 届くまで*モトキ楽しく読ませてもらってます!キュンキュンしたり、ハラハラしたりとても面白いです、更新が待ち遠しいほど... (2019年2月17日 21時) (レス) id: 2d8366773d (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - #Mitsumaruさん» 前恋と同じようにページ追加するので大丈夫ですよー(*´ω`*) (2019年2月17日 10時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
#Mitsumaru(プロフ) - あとページ、2pしかありませんが、、大丈夫ですかっ?!(;・д・)ノ (2019年2月16日 23時) (レス) id: 4e9cfe60b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:meimi | 作成日時:2019年1月23日 18時