【Fischer's】届くまで * モトキ

友情 * 02 ページ38

由奈、シルク、拓実、凌。
大学のときの仲良しメンバーとは卒業して仕事を初めても2ヶ月に1回は集まる仲で。特にシルクは。大学4年の冬にあんな事があったけど、一番の仲良しで、よく連絡をとっている。

先輩と里菜ちゃんに電話に出ることをの断りを入れて、シルクからの電話に出た。

シ「A、急にごめん」

「大丈夫、丁度お昼休みだったから」

シ「よかった！急なんだけど、明日って仕事の後暇？」

明日。予定を頭の中で整理する。
特に急ぐ仕事もないし、残ってる仕事も今のところない。明日は１日受付業務の日だから、定時に上がれる。その後の予定も。

「うん、大丈夫だよ。飲み？」

シ「そう！でも俺んちで宅飲み！最近引っ越したんだ」

「そーいえば、前回皆で飲んだときにそんな事言ってたね」

シ「あいつら用事があるとか言うからさ。Aと俺の友達と、どう？」

「いいよ、楽しみにしてるね」

シ「またLINEする！」

業務連絡のような短い電話。由奈と電話するときは極端に長いが、シルク達とは。
ものの30秒程で、明日の楽しみな予定が出来る。

里「男ですね？」

ニヤニヤしながら里菜ちゃんが。
"え？"と一瞬先輩の表情が少し曇ったように見えたが、気のせいだろう。

「まぁ、男だけど。大学からの大親友だから、それこそ何にもないよ」

笑いながらそう伝える内容には少し嘘が混ざってはいるが、あの冬以来体の関係は一切なく、"今の現状"としては、嘘ではない。

先「男女の友情ねぇ、成立するもんかねぇ」

そういう先輩に、"私達には"と笑顔を向けた。
時計を見るとそろそろ時間で、先輩に向かって。

「ごちそうさまでした、またお願いしますっ」

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