【Fischer's】届くまで * モトキ

変わらぬ一歩 * 06 ページ35

モトキ side


シ「本当に申し訳ない！！」

いつもは遅刻しないシルクが珍しく。
誰も怒ったりはしてないが、それ以上に思ってることがあり。

マ「シルクくん、遅刻の原因は・・・女の家からの朝帰りときたもんだ」

ニヤニヤと楽しそうにしてるのはマサイだけでなく俺もで。マサイが、シルクとの電話を切った後に

"あいつ今、全裸で女の家らしいぞ"

なんて面白おかしく言うもんだから、皆彼女が出来たのかと興味津々なのだ。

シ「まぁそうだけど彼女じゃない、友達」

モ「一夜限りなんて、シルクそんなキャラだっけ？」

シ「片想いなんだよね、俺の。でもその子が遊んでるとかじゃなくて。まぁ、お互いがお互いを利用した大人の事情？」

なんて、笑うシルクがすごく辛そうに見えた。

モ「大人は・・・大変だね」

そう言うと、"だな"と笑って見せてくれた。
俺も、そしてシルクまでも叶わぬ恋だなんて、フィッシャーズの男共は。

ふと出た笑いは、自嘲のせいか。
シルクも、そして俺も。

モ「じゃぁ、シルクも来たことだし、撮影始めようか」

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