火曜日 * 02 ページ11
暖かくて、ふわふわする体。
心地よい感覚の中浮かんでくる出来事。
初めてここでモトキと出会った時の事。
海に行きたいと遠回しにデートに誘ったのに全く気づいてもらえなかった事。
期末テストの勉強をしたり、テストの結果を競ったり。
バレンタインを渡したいけど、勇気が出しきれず、義理チョコのような感じでチロルチョコを大量に渡した事。
ただただ意見が合わなくて言い合った事もあった。
ここで寝てしまって帰り夜道送ってくれた事。
好きを伝えて返ってきた"俺も好き"の言葉と大好きな笑顔。
そして。
"どうしたの?Aさん"
悲しい笑顔。
苦しい。胸が、痛い。
"トントン"
体に振動を感じる。
"トントン"
肩を叩かれてるようだ。重たい目をゆっくりと開く。視界に入ってきたのは机。顔を上げると声を掛けられた。
「もう閉館ですよ」
笑顔をむけられ"すみません"と返し、支度をする。
外はもう夜で、かなり寒くなっていた。
駅に向かってゆっくり歩き出す。すれ違う人達は笑顔で、暖かそうで。少し前の私もそうだったのかな、そう考えるとあの日の帰り道の出来事が頭に流れ込んでくる。
他愛もない話をして笑いあった時間、"女の子の夜道は危ないからね"と笑いかけてくれた笑顔。目元が熱くなり、頬に暖かいものが伝う。楽しかった出来事がどんどん頭の中に浮かんできては頬に流れ、同時にどんどん心が冷たくなっていく。
家に着く頃には、何にも考えられなくて部屋に鍵をかけて、ベッドに倒れこんだ。
今までの関係がすべて消えた
頭に浮かぶ言葉に、また涙が流れてくる。その日は、声を殺して、涙が止まるまで泣き続けた。
翌日からの冬休み、柚達との約束も全部蹴った。なにも考えたくてなくて、誰とも会わなかった。三学期が始まってからもモトキは図書館に来なかった。教室では全く会話もなくなって、なにも変わらないまま卒業を迎えた。
共に歩んできた年月に、皆涙し思い出を語らう。横目に映るモトキの頬にも涙が伝ってるように見えた。
教室を後にする。
最後に交わした言葉は何だっただろうか。
彼を傷つけて。
それから勇気も持てなくて。
高校は凄く楽しい。ノリのいい友達に、優しい先輩。毎日が楽しくて賑やかで。でも、その反面、何処か疲れてしまう。
多数決が絶対の暗黙のルール、優劣を決めつけて接する関係、自分は気にしなくても、周りが気にしていたらそれに逆らえず、流されてしまう自分。
そんな高校生活が、今日終わりを迎えた。
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#Mitsumaru(プロフ) - めいみさん» やったぜ(笑)楽しみにしてます♪(`ω・´) (2019年2月17日 23時) (レス) id: 4e9cfe60b6 (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - 雨さん» ありがとうございます!そう言って頂けるとすごく嬉しいです(つд;*)お話も終盤ですが、二人の恋を見守って頂けると嬉しいです♪ (2019年2月17日 22時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 届くまで*モトキ楽しく読ませてもらってます!キュンキュンしたり、ハラハラしたりとても面白いです、更新が待ち遠しいほど... (2019年2月17日 21時) (レス) id: 2d8366773d (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - #Mitsumaruさん» 前恋と同じようにページ追加するので大丈夫ですよー(*´ω`*) (2019年2月17日 10時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
#Mitsumaru(プロフ) - あとページ、2pしかありませんが、、大丈夫ですかっ?!(;・д・)ノ (2019年2月16日 23時) (レス) id: 4e9cfe60b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:meimi | 作成日時:2019年1月23日 18時