１つずつ * 04 ページ39
A side
店内は落ち着いた雰囲気で、若い子は殆ど居なかった。"ここのコーヒー旨いんだ"とマサイくんが笑うので、つられて笑顔になった。
不意に繋がれた手は大きくて、ゴツゴツしていた。
周りのカップルのように指を絡めるような繋ぎ方ではなかったけれど、握られてる手は間違いなく私の手。そして、もう１つはマサイくんの。まるで手に全神経が集まったように熱くなって、ドキドキして。思い出すと、また熱が。
落ち着くため、運ばれきたコーヒーを一口。口の中に広がる深い香り。"おいしい"と思わず出た言葉にマサイくんは満足そうに、それでいて少し自慢げに"だろ？"と片方の眉毛を上げて表情を作る。そして。
マ「・・・ごめんな、急いで。出口付近で女の子達が俺っぽい人見かけたって話してて、それで」
さすがフィッシャーズ。
あんな人の多い場所。カップルばかりであまり周りに気がないのと、館内の薄暗さに助けられたような物だ。
「そうだったんですね。良かった、バレなくて」
そう伝えると、マサイくんは持っていたカップをソーサーに置いてため息をついた。
どうしたのかわからずいると、その理由は直接本人が話してくれた。
マ「よかった、急いで出たから嫌だったのかと」
「違いますよ。・・ただあの時は」
あの時は、手を繋がれたことに驚いて・・・
"どうした？"と心配そうに聞いてくれるマサイくんに、こんな恥ずかしい事言って良いのだろうか？でも、言わないと今度はマサイくんが不安に思うかもしれない。
それは、いやだ。
「手、繋いだの・・・初めてで、その・・・」
なんでこんな底辺中の底辺な経験値なんだろう。今までに経験があればもっとスムーズにデートも出来たのだろうか。自分が情けない。
マ「前に異性と二人で飲むのも初めてって言ってたよね？」
「はい・・」
マ「付き合うのも、俺が初めてであってる？」
「はい、恥ずかしながら」
マ「んで、手を繋いだのも初」
「あ、はは、経験値低すぎですよね、すみません」
今時、小中学生で経験しそうなイベントを総じてスルーしてきたのだ。このレベルで経験がないということは、勿論その先なんて全くの未開の地。マサイくんもこんなのが相手だと大変なのではないのか。もしかすると面倒に思われてしまうのではないか。不安になりゆっくりとマサイくんに視線をうつした。
マ「・・・嬉しい」
「え？」
マ「Aちゃんの"はじめて"を3つ貰ったわけだろ？嬉しいに決まってんじゃん」
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めいみ(プロフ) - 善処さん» わあぁぁぁぁ(´；ω；`)ありがとうございます....！！読んで頂けるだけでも嬉しいのに(´；ω；`)本当にありがとうございます！！！これからもどうぞ宜しくお願いします(*´ω｀*)♪ (2019年10月19日 15時) (
レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
善処(プロフ) - マさん可愛いすぎます！いつも楽しく拝見してます。私もお話を読む度に一番右の星を押してしまいます。既に押してあるので反映されませんが… (2019年10月19日 14時) (レス) id: 977f9d8c0c (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - らいあさん» めっちゃうれしいです、ありがとうございます（；△；）コメントも評価もお気に入り登録も、本当に支えになります！！こんな自己満妄想なお話ですが、これからも楽しんで頂けるよう頑張ります♪ (2019年10月18日 19時) (レス) id: 7fd022a576 (このIDを非表示/違反報告)
らいあ(プロフ) - 1つの話更新されて読むと指が勝手に1番右の星押すんです、でも既に押してあるから評価できないんです… (2019年10月18日 19時) (レス) id: 5fea82385a (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - バニレさん» 難しい言葉は私がわからないので基本出てこないかと思います(笑)「1つずつ」は05で終わりですが、次の話はカッコイイマサイくんとは遠いかもです、ごめんなさい(笑) (2019年10月18日 0時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：meimi | 作成日時：2019年9月25日 21時
