【Fischer's】前途多難な恋だから * モトキ

Fischer's * 04 ページ36

マサイ side

話題が変わった途端、安心したようなモトキを見て何だが面白くなった。この前どっきりを企画した日に、ンダホからモトキの片想いの話を聞き、その後モトキとも話した。今は全力で応援している。
それにしても、何も言わないだけでシルクも気づいてたなんて。それを知ってからモトキを見ると、普通にしているようでやっぱり少し違う。それは俺らが長く一緒に居るから気付く程度の違いだけど。
そして、俺は人のそういう事に疎いから、あの日まで気付かなかったのだけど。

気がつくと、前に俺が上げた自撮りの話になっている。あれはあれで、もう人には見られたくない画像だ。

「そのマサイくんの写真ってもうないの？」

マ「秒で消した」

ン「あ、おれあるかも！TwitterでRTしたような・・・」

Twitterってンダホおまえ、Fischer'sなのばれるんじゃね？

モトキはと思い視線を送ると俺の画像の話だと思い完全に安心しきっている。ここで俺が止めてもいいが、遅かれ早かれAちゃんは俺達がFischer'sであることを知るのは確実。
それであれば、いっそのこと俺らがいる前で知ったときのリアクションを見る方が絶対に楽しい。
尚且つ、それを知られたモトキのリアクションも凄く楽しみなのだ。これは、人の自撮り画像ネタを生け贄に差し出した罰という、俺が楽しむ口実になる。
ふとシルクの方を見ると、やはりこいつもバレる事に気づいてるらしく、ニヤニヤしながら、安心しきってスマホゲームをしてるモトキを指差す。

そして、想像通りのAちゃんの反応。

「フィッシャーズ・・・え・・・えぇ！？」

モ「え？おぁっ！？」

ン「あ・・・」

そして、予想以上のモトキの焦りよう。
ンダホは"忘れてた"という表情。

これは・・・おもしろい。

「えっ、えっと、へ？Fischer'sって、女子高生がいってた、Fischer's？え？皆が？」

Aちゃんがスマホを手に取り先ほど話題が変わる前にやるはずだった行動を取り始めた。Google検索だ。そこには間違いなく俺らの動画がヒットする。

「皆・・・有名人だったんだ・・・無知すぎる自分が恥ずかしい・・・」

そうしょんぼりとするAちゃんを見かねたのか、それともただただモトキの反応が楽しみたかったのか。シルクがまさかの発言をした。

シ「そんなに気にすることじゃないって、あ、んじゃさ、キス動画見てみる？」

こいつ、悪魔だ。まぁ、悪くない提案だけど。

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