壁1枚 * 05 ページ50
仕事もどうにか乗り切れた。急いで着替えてお店を出る。時計を見れば、モトキくんにお家につく時間と伝えた21時まであと10分。確実に間に合わない。
LINEを開いてモトキくんにメッセージを送る。
"本当にごめんなさい!今お仕事おわって急いで帰るから、もう少し掛かりそう!"
"大丈夫、ゆっくり帰ってきてね。じゃないとAちゃんまたなにか落としちゃうから(笑)"
私はどうやら物を落と設定になってるらしい。
"落とさないよっ(笑)とにかく急ぎます!"
マサイくんとシルクくんは出掛けて居ない、そうなるとモトキくんは寒空の下待ってることになる。風邪をひかせてしまっては大変だ。何よりも私が鍵を落としてしまったせいで時間をもらってるのに。
* * *
モトキ side
時刻は21:30になるところ。
このマンションの前で待つなんて中々ない経験だ。なんたってシルクかマサイを訪ねてしか行くことなかったし、俺が行く=絶対にいる、から。決して待つことが嫌なわけじゃない、あいつらじゃない誰かと会う、と言う特別な感じが不思議だ。
きっと朝もかなり早かっただろう彼女は、毎年この時期にこんなに長時間労働の日々を過ごしてるのかと思うと、驚きと尊敬が。
そうこう考えていると、パタパタと小走りの足音が聞こえて来た。顔を上げ音の方を向くと、Aちゃんが白い息を吐きながら走ってくる。
「モトキくーん、本当にごめんー!」
走りながらそう言うAちゃんが凄く可愛いと思ってしまう自分は。
モ「大丈夫、仕事お疲れ様」
「寒かったよね、今開けるから!」
慌て気味にそう言うとスペアキーでオートロックを解除する。階段を上る事に何の疑問も感じなかったのは、俺がいつものようにマサイの家に行く感覚で居たから。そして、マサイの部屋の前に来て、Aちゃんの部屋の隣にきて、やっと思い出した、マサイが今日居ないことを。危うくマサイの家に寄る感覚で居たが、鍵を返して帰らなければ。
そう思った時。
"ガチャ"
鍵を開ける音。
「寒かったよね、暖房いれるから」
モ「えっ、いや、俺」
「モトキくんは夕飯食べた?」
モ「いや、まだだけど・・・」
「じゃぁ、お礼に夕飯食べていきませんか?」
いつもの大好きな笑顔でそんな事を言われたら。
モ「・・・いいの?」
「もちろん!」
ンダホが言った冗談が過る。
"返し狼になるなよ"
それはない、絶対ない。
意識しすぎるのをどうにかしなくては。
気を引き締め、玄関を跨いだ。
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めいみ(プロフ) - Chさん» 嬉しいコメントありがとうございます(*´ω`*)初めて書いたフィッシャーズの夢小説なので、そういって頂けると本当に嬉しいです♪短編もあるのでよろしければそちらもご覧下さい♪♪コメントありがとうございました! (2019年9月6日 19時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
Ch(プロフ) - 前途多難な恋だから、めちゃくちゃツボですーーー!!!最高すぎて何て感想を述べたらいいかわからないので、めちゃくちゃ好きですとだけ!言わせてください! (2019年9月6日 19時) (レス) id: 14fa37869b (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - そいさん» そいさん、コメントありがとうございます!好きだなんて、ニヤニヤしちゃいます(笑)こんなお話でも読んで頂けて楽しんで頂けているのであれば、本当に嬉しいです(つд;*)仕事終わり次第今日中更新できると思うので、今しばらくお待ち下さい♪ (2018年12月12日 17時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
そい(プロフ) - あの 好きです(語彙力喪失 展開が私好みすぎて……めっちゃ焦れったいけどもっと焦らしてくれなんてMっ気のあるようなこと考えながら更新があるたびに最初から読み直してます笑笑 (2018年12月11日 22時) (レス) id: 251e5350d1 (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - 自然(??ω??)?さん» ありがとうございます!!そしてご指摘まで(つд;*)めっちゃ恥ずかしい間違いしてますね、私(笑)地味に訂正していきます!一応半分は終わりました!また何かあったら是非教えて下さい(つд;*) (2018年12月3日 17時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:meimi | 作成日時:2018年11月6日 23時