【Fischer's】前途多難な恋だから * モトキ

Fischer's * 02 ページ34

モトキside

自分で言うのも何だが、俺達、一応結構有名になったと思う。だからこそ、検索なんて掛けられたら一発でヒットしてしまう。
別にFischer'sな事を隠してるわけでも隠したいわけでもない。ただ１つ、あの動画、キス動画だけは見られたくないのだ。

シ「その女子高生達が話してるときに調べたりしなかったの？」

素朴な疑問。そして、簡単に行動に起こせて疑問が解決出来る方法。そして、これは俺が今一番されたくないことでもある。

「あの時は仕事中だったし、その日の夜はばったり会ったマサイくんと急遽どっきりをしようって話になって・・・」

そう言ったAちゃんと目があって数日前の出来事を思い出す。至近距離にあるAちゃんの顔・・・Aちゃんの顔が赤くなっていくのがわかった。多分同じ事を思い出したのだろう。

シ「ん？？どした？」

「なっなんでもない！・・・とにかく検索出来なかったけど、今ちょうど思い出して聞いてみたんだけど・・・」

ン「なるほどねー、Fischer'sかぁー」

だれも俺達だと、言わない事からきっと俺の反応を楽しんでるんだと思う。
Aちゃんが再びスマホを手に取りGoogleを開く。俺があわてて話しかける。

モ「でもさー、キス動画なんて絶対に気持ち悪いだけだって」

「なんで？？」

モ「だって、男同士だよ？絵面きびぃ」

「そっかFischer'sって男の人なんだ」

まずい、何だが墓穴を掘った気がしてならない。助けを求めようとマサイの方を見ると、震えながら笑っていた。

こいつら・・・っ

モ「それよりさ！今年もシャンパン福袋企画やるんでしょっ？」

シ「去年ダホとしたやつ？まぁ、やろうと思うけど去年とは違うの考えてるかな」

「シャンパン福袋？？」

よし！
めいみちゃんの意識をそらすのには成功した。

ン「去年は俺とシルクでシャンパン福袋大量に買ってきてドンペリ当たるか、みたいな事したんだ」

シ「企画で使った酒を動画外で皆で飲んだんだけど、量多くて。ぺけもマサイも酒弱ぇし、俺らは飲めるけど、量がな」

"そんな事があったんだー"
そう相づちをうつAちゃんの興味は、もう企画の方に行ってるようだった。これで一安心か。ほっとする俺を見ていたのかマサイがニヤニヤしながらこっちを見ていた。

シ「あ、Aちゃんって酒飲める？」

「飲めるよ、まぁ、そんなに強くないけど」

シ「じゃぁ、今年はAちゃんにも手伝ってもらうかな」

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