十夜目 ページ10
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『…べ、別に…隠してないよ?』
いつもとは違う、真剣な眼差しに思わず動揺してしまった。
はすくんも心配そうな顔で、私とコジくんを交互に見ている。
コ「嘘はダメ!小さな頃からいつも一緒に居るのに…気付かない訳ないでしょ?」
しっかり目を捕らえられてしまい、合った目を反らす事が出来ない。
…コジくんの家に来てからはずっとゲームをしてたし、バレるような場面もなかったはずだった。
もしかしたら、朝から気付いていたのかも…。
『…ちょっと悪い夢を見ただけだよ…』
しかし、私の口からは咄嗟に嘘が出た。
…だって、本当の事を言っても信じてもらえる確率の方が低いに決まっている。
不審な男が現れて、朝起きたら首筋に傷跡…
ニュースを見たって似たような事件はないし、不審者情報もない。
…夢みたいな話だもん。
夢だって信じたいし、ただの悪夢だって願ってる。
朝、傷跡に気付いた時も、今のこの瞬間も…
全部、全部夢だと信じる。
…そう信じないと、何も信じられなくなりそうだ。
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コ「…A?…顔色悪いけど、大丈夫?」
心配そうに私の顔を覗き込むコジくんの声で、我に返った。
つ「…追い込まれたような顔してた…」
…やっぱり、顔に出やすいのかな…私。
はぁ、と溜め息を吐いた。
コ「…なぁー、Aー?…俺らには、言いたくないの?」
元から隣に座ったいたが、コジくんはさらに距離を詰めると悲しそうに呟いた。
つ「…無理に、とは言わないけど…Aの役に立ちたい。」
冷静だけど、優しさが滲み出るような安心する声。
『…笑わないで、聞いてくれる…?…信じてくれる…?』
これ以上隠すのは、自分自身も辛かった。
コジくんとはすくんが聞いてくれるって言うなら、話した方が楽なんじゃないかな…って。
コ「…当たり前だ!」
つ「…うん、絶対!」
二人の笑顔に負けて、私は何ひとつ隠さずに全てが口から溢れ出した話した。
証拠として傷跡も見せ、私が家に帰りたくない理由も話した。
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…この話を聞いて、二人はどう思ったかな…。
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ピアル - チョコはすさん» 初めまして、夏位からずっと更新を待っていた者です。単刀直入にお聞きしますと、もうこの作品を更新してくれないのですか?私はこの作品がとても好きなので、無理しない程度でいいので更新待っています (2016年4月18日 23時) (レス) id: 690021def7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - アロエさん» コメありがとうございます!アブさん私も大好きです!これからアブさんたくさん出すつもりです!更新頑張ります! (2015年8月9日 22時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
アロエ - タイトル見て瞬間的にクリックしてしまいました!wアブさん大好きなので出てきて嬉しいです!更新頑張ってください!応援してます! (2015年8月9日 22時) (レス) id: edd707cc42 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - AENさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると本当に嬉しいです…!!更新頑張ります! (2015年8月8日 12時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
AEN(プロフ) - コメント失礼しますー|ω・)チラッ この作品本当に大好きで、楽しく読ませてもらってます♪♪更新頑張ってくださいっ!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年8月8日 12時) (レス) id: e5841bf7d3 (このIDを非表示/違反報告)
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