五夜目 ページ5
貴方 Side
目覚まし時計の音で目が覚める。
頬には冷や汗がつたり、とてもいい気分とは言えない。
…夜中の出来事も覚えている。
辺りを見渡しても、男達の姿はない。
しかし、意識を失う前の記憶が微かに脳内で再生される。
…そうだ、首筋に鋭い痛みがあったはず。
どうか夢であるように、と願いながらも洗面所の鏡で確認する。
・
…夢じゃない。現実だった。
首筋には痛々しく残る、ふたつの跡。
何か鋭い物が刺さったような跡だった。
…私は一体、何をされたのだろか。
そしてまず、私は生きているのだろうか。
この世に存在しているということ自体、私には自信を持って言えない。
無性に一人が怖くなって、今すぐにでも幼馴染みの顔が見たいと思った。
そして私が存在している、ということを実感したい。
そんな思いから、私は急いで支度をする。
跡の残った首筋は髪の毛で隠れるけど、念のため絆創膏を貼っておいた。
いつもより早く支度が終わると、私は一番家の近いアブさんの家に行った。
・
一分かからずにアブさんの家に到着。
辺りを警戒しつつ、インターホンを鳴らした。
ア「…あ、Aちゃんおはよ〜」
制服姿で出てきたのは、私より一つ年上のアブさん。
私の幼馴染みの一人だ。
『…おはよう』
ア「…Aちゃんが家に来てくれるなんて、珍しいね〜!…あ、もしかして…」
何か思い付いたようにニヤリとしたアブさん。
この先は聞かないことにする。
…だけど、正直いつも通りで安心した。
『…今すぐ家出れる?』
家の外で一人で待ってるのも怖いし…。
ちょっとした期待を込めて聞いてみる。
ア「…出れる、けど…」
…アブさんは急に真剣な顔になった。
どうしたの?って聞こうとすると、前に下ろしていた髪の毛を後ろに退かされた。
『…えっ?』
動揺する私に、アブさんは真剣な顔のまま私を見た。
・
・
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ア「…Aちゃん、怪我してるでしょ?」
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ピアル - チョコはすさん» 初めまして、夏位からずっと更新を待っていた者です。単刀直入にお聞きしますと、もうこの作品を更新してくれないのですか?私はこの作品がとても好きなので、無理しない程度でいいので更新待っています (2016年4月18日 23時) (レス) id: 690021def7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - アロエさん» コメありがとうございます!アブさん私も大好きです!これからアブさんたくさん出すつもりです!更新頑張ります! (2015年8月9日 22時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
アロエ - タイトル見て瞬間的にクリックしてしまいました!wアブさん大好きなので出てきて嬉しいです!更新頑張ってください!応援してます! (2015年8月9日 22時) (レス) id: edd707cc42 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - AENさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると本当に嬉しいです…!!更新頑張ります! (2015年8月8日 12時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
AEN(プロフ) - コメント失礼しますー|ω・)チラッ この作品本当に大好きで、楽しく読ませてもらってます♪♪更新頑張ってくださいっ!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年8月8日 12時) (レス) id: e5841bf7d3 (このIDを非表示/違反報告)
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