二十四夜目 ページ24
貴方 Side
ふと、目が覚めた。
…あのまま寝ていたようだ。
ソファーにいたけれど、いつものベッドで寝ていた。
床には布団を敷いて寝ているセピアさんとアブさん。
多分セピアさんが運んでくれたんだと思う。
…結局、アブさんとの件、解決出来なかったな…
無駄に整った綺麗な顔を見ながら、溜め息をつく。
セピアさんも知らない、今日のアブさん。
どっちが本当のアブさんなのか分からないよ…。
…なんか、目が冴えちゃったな…。
昔からだけど、考え事をすると寝れなくなってしまう。
物音ひとつしなくて、二人の寝息だけが規則正しく聞こえていた。
・
……二人の寝息と、物音がすぐ近くで聞こえた。
ハッとして息が止まりそうになる。
嫌な予感しかしなくて、身体が震えた。
「…よう、一昨日ぶりだな。」
耳元で囁かれたその声は、低くて鋭い。
ただ怖くて、逃げることなんて出来なかった。
振り向くと、一昨日と同じ男が三人。
私と目が合うと、男は口角を上げて笑った。
…怯えて抵抗が出来ない私に、愚かだと言うように。
背の高い男は光のない目で私を捕らえると、だんだんと距離を詰めていく。
『…っや、やめてっ…来ないでっ…』
なんとか振り絞って出した声。
だけど、セピアさんもアブさんも寝ていた。
せめてセピアさん達に助けを求めようと男に反抗すると、男達は笑った。
「…そいつらは眠らせてるから起きねえよ」
…眠らせてる…?
まるで、薬か何かで眠らせたような言い方。
「…お前の味方なんていねぇんだよ。…諦めろ」
…怖いけど、悔しかった。
私、また何もできないまま…終わろうとしてる。
『…やめてっ…!…離してっ…!』
無意味なのは分かってる。
だけど、諦めたくない…。
・
「…A、ちゃん…?」
・
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ピアル - チョコはすさん» 初めまして、夏位からずっと更新を待っていた者です。単刀直入にお聞きしますと、もうこの作品を更新してくれないのですか?私はこの作品がとても好きなので、無理しない程度でいいので更新待っています (2016年4月18日 23時) (レス) id: 690021def7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - アロエさん» コメありがとうございます!アブさん私も大好きです!これからアブさんたくさん出すつもりです!更新頑張ります! (2015年8月9日 22時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
アロエ - タイトル見て瞬間的にクリックしてしまいました!wアブさん大好きなので出てきて嬉しいです!更新頑張ってください!応援してます! (2015年8月9日 22時) (レス) id: edd707cc42 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - AENさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると本当に嬉しいです…!!更新頑張ります! (2015年8月8日 12時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
AEN(プロフ) - コメント失礼しますー|ω・)チラッ この作品本当に大好きで、楽しく読ませてもらってます♪♪更新頑張ってくださいっ!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年8月8日 12時) (レス) id: e5841bf7d3 (このIDを非表示/違反報告)
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