十八夜目 ページ18
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「…あ、Aちゃん!遅くなってごめんね…!」
ベンチに座って待っていると、セピアさんが走ってきた。
…なんでセピアさんが、私も一緒に帰る事を知っていたのだろう…
『…ん、大丈夫だよ。』
不思議に思いながら、セピアさんが来たので私も立ち上がる。
セ「…あれ、アブさんは…?」
先ほどの出来事を知らないセピアさんは、キョロキョロとまわりを見回す。
『…あ、えと…女の子と一緒に行っちゃった…』
一瞬言うかためらったが、隠してもしょうがないもんね。
アブさんが悪いし。
セ「…はぁ、またか…」
やっぱりか、というように深い溜め息をついた。
同じ学年のセピアさんは、私よりもこういう経験が多いのだろう。
少し沈黙が続いてから、セピアさんは苦笑いで言った。
セ「…Aちゃん、帰ろっか。」
つまり、アブさんを置いてくということ。
『うん、帰ろ。』
特に迷う事もなく私は返事をして、セピアさんの腕を引いた。
セ「…あ、そう言えば…」
他愛もない話をしながら歩いていると、セピアさんが思い出したように声をあげた。
セ「…コジマさんから聞いたんだけど、昨日お泊り会したの?」
…予想外の質問に、思わず顔が引きつる。
『…あ、まぁ…うん。』
コジくんがどこまで話したのかは知らないけど、自分でも分かるほどぎこちないと思う。
それに…昨日の事を思い出したら胸騒ぎがした。
セ「…へぇー、俺も今日お泊り会したい!」
またまた予想外な提案に、変な声が出た。
『…えっ!?…あ、いいよっ?』
泊まる事の抵抗があった訳ではないが、セピアさんが何でも知ってそうでちょっと怖かった。
セ「…じゃあ、このまま行ってもいいかな?」
変に煩い心臓に、いつも通りで大丈夫と言い聞かせた。
『…うん、いいよ』
「…二人で何の話してるのー?」
突如後ろから聞こえた声。
セ「…アブさん遅いよー」
振り向くと、何故かキメ顔のアブさんが立っていた。
『…今日セピアさんが私の家に泊まるの。』
私が言うと、アブさんのキメ顔は一瞬にして崩れた。
ア「…えぇっ…俺初耳何だけどっ…!?」
ガックリとうなだれる。
セ「…Aちゃんを置いて他の女の子と話してたのは誰?」
ア「…うぅ…ごめんなさい…」
先生と生徒のようなやり取りをした後、結局二人共私の家に泊まることになった。
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ピアル - チョコはすさん» 初めまして、夏位からずっと更新を待っていた者です。単刀直入にお聞きしますと、もうこの作品を更新してくれないのですか?私はこの作品がとても好きなので、無理しない程度でいいので更新待っています (2016年4月18日 23時) (レス) id: 690021def7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - アロエさん» コメありがとうございます!アブさん私も大好きです!これからアブさんたくさん出すつもりです!更新頑張ります! (2015年8月9日 22時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
アロエ - タイトル見て瞬間的にクリックしてしまいました!wアブさん大好きなので出てきて嬉しいです!更新頑張ってください!応援してます! (2015年8月9日 22時) (レス) id: edd707cc42 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - AENさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると本当に嬉しいです…!!更新頑張ります! (2015年8月8日 12時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
AEN(プロフ) - コメント失礼しますー|ω・)チラッ この作品本当に大好きで、楽しく読ませてもらってます♪♪更新頑張ってくださいっ!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年8月8日 12時) (レス) id: e5841bf7d3 (このIDを非表示/違反報告)
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