short story 目を開ければ。 ページ39
youside
目を開けて最初に見たのは大好きな仲間たちの顔だった。
冴「A!!わかる?」
緋「A…よか、った…」
白「A、みんないるから…!」
・
・
『げほっげほ、はあ…』
挿管の管を抜いてもらって、やっと視界がクリアになってきた。
─────刹那、目の前が真っ暗になり、ふわり、と大好きな香りがした。
藍「…無事でよかった。」
『こう、さく…あり、がと』
まだ掠れていた声。
そんなの気にするまでもなく、耕作の胸に顔を押し付けた。
藤「お、おい、目の前でいちゃいちゃするなよ…!」
冴「余計なこと言わないで。」
白「なんか、ピンクがかってるよね…」
緋「…席、外してあげよ。」
後ろで繰り広げられている会話を背景に、私達は抱き合っている。…ICUで。
やっと腕を緩めた耕作の頬にはひとつぶの雫が伝っていた。
『もう…耕作、まで、泣か、ないでよ…』
藍「怖かった…お前がいなくなりそうで。」
『…うん、ごめんね』
藍「…好きだ。」
『え、』
突然の告白にあたふたする私の指には綺麗な指輪が付いていた。
『きれ、い…私も、すき…』
藍「…虫よけだ。」
頬に伝う涙を、耕作の指が拭ってくれた。
そのとき、私はもう気が付いていた。
─────手にある、違和感に
手を見つめたまま黙っている私を不審に思ってか、耕作が「どうした」と聞いてきた。
『あの、ね…なんか、手が痺れてて…こうい、しょうかな』
横にいた耕作と、スタッフステーションにいたみんなが息を呑むのがわかった。
自分の目尻にじわじわと溜まった涙を拭う。
藍「…大丈夫だ。きっと、Aの手は元通りになる。」
『…うん、私も疑ってない。どうなっても─────私は医者を続けるよ。』
私の言葉に耕作は頷くと、小さく笑ってくれた。
『…ね、私何日眠ってたの?』
藍「3週間だ。」
『‥‥‥‥今日耕作トロントじゃん!こんなとこで何してんの…!?』
重大事実に気づいた。
危なかった…
藍「10時の便だから大丈夫だ。」
『そっか…‥‥‥‥じゃあさ、外行こう!』
私の思い付きにスタッフステーションにいたみんなが飛び出してきた。
緋「なにいってんの!無理だよ、まだ」
『だって、耕作と美帆子がいなくなっちゃう前にヘリの前で写真撮りたくて…』
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「はい、チーズ!」
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らむれもん - キラあやさん» 応援ありがとうございます!コメント励みになります。頑張ります!(^^) (2018年8月26日 20時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
キラあや - らむれもんさん» そうですか、応援してるのでこれからも頑張って下さい! (2018年8月26日 20時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - キラあやさん» そうですね…ある程度票が集まったら、と考えているのですが、多分、もうそろそろなはず…です! (2018年8月26日 16時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
キラあや - 次の作品っていつ頃になりそうですか? (2018年8月26日 14時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - 彩さん» コメント、ご意見ありがとうございます!橘先生がお好きなんですね。今後絡みを増やします! (2018年8月26日 11時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむれもん | 作成日時:2018年7月27日 15時