コード・ブルー departure farewell -第２章-

life　42 ページ4

緋山side









緋「臓器は無事かな…でも出血が多い。」




藤「このまま翔北に運んでも間に合わないぞ、」







藍「血腫が見えないな…3センチ下開けてみよう。」




冴「分かりました。」









思い出せ…









この10年で得た知識。実力。









きっと方法はある。









なのに焦りが邪魔して思い出せない。









そうだ。









藍沢…









藍沢が、フェローのときにやった術式。









確かその場にはAと白石がいた。









どうして思い出せなかったんだ。









緋「大動脈アオルタクランプするわ。サポ入って。」









藤「分かった。確かに開胸してから鉄筋を抜けば出血は最小限に抑えられるな。」









最小限と言ってもかなりの出血量になる。









必ずと言っていいぐらいの確率で心停止するから、一か八かだ。









緋「藍沢、こっち大動脈クランプして鉄筋抜くから、頭の方終わらせといてよ。」





藍「分かってる、血腫がもう見えてる。」









Aの胸部にドレープをかけながら祈るようにAの顔を見つめた。









大丈夫。









助けてあげるからね。









ずっと待ってるから。









緋「メス。」









・









緋「大動脈遮断鉗子。」





冴「はい。」









カチッというラチェットをかける音が響き、一気に肩の力がぬける。









緋「遮断した。…抜くよ。」









ダメだ、まだ終わっていない。









問題はここからだから。









「「「「1．2.3！」」」」









鉄筋がAの体から離れた瞬間、心電図がけたたましく鳴り響く。









冴「心停止です！」

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