コード・ブルー departure farewell -第２章-

life　41 ページ3

藤川side









藤原さんを運び、この事故での最後の患者、藤田の元へ足を進める。









あいつには何かと支えてもらった。









無表情なせいで、フェローになったばかりのときはみんなに嫌われてて









なのに藍沢とは妙に気が合うらしく、あいつにだけ気を許してたっけ。









だけどみんな不器用な優しさに惹かれていって、藤田はフェローで一番の相談役になっていった。









俺がヘリに乗れなくてヘリポートで悩んでいたときも、あいつは缶コーヒーを俺に渡しながら言ったんだ。









―辞めるんなら辞めればいい。でも、自分の夢を諦めるあんたは嫌いだから。









相変わらずの無表情で。









でも、その一言でどんだけ俺が救われたか。









だから、はるかが好きってこともあいつがいたアメリカまで電話して伝えた。









―はるかのこと、頼むよ。









―藤川らしくないじゃん。









―そばにいてあげて。









あいつが俺に言った言葉を鮮明に覚えている。









だから…









だから…









藤「藤田！！！」









俺の前にいるのは間違いなく10年間を共に過ごした大切な仲間で。









オペをしている藍沢も緋山も、サポートしているはるかも、みんな泣きそうな顔して。









心電図が鳴り響く中で頭部と腹部同時オペされている藤田がやけに小さく弱々しく見えた。

life　42→←life　40

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す