コード・ブルー departure farewell -第２章-

life　67 ページ29

緋山side




緋「え、退院？」


白「うん、まだ職場復帰はできないけど、通院してリハビリでいいって。」



いきなりスタッフステーションにやってきた白石の目的は退院の報告だったらしい。



緋「よかったじゃん。…まあ、骨盤診た私の腕が良かったからなんだけどね。」



白「…うん。そうだね。ありがと」




白石の思わぬデレな言葉に、キュンとしてしまった。




――――いや、騙されないぞ。




緋「…まあいいわ。で、いつ？」




白「明後日。ちょうど藍沢先生がトロント行く日」





――――そういや、明後日だったけ。忘れてたわ。




自分の藍沢への興味のなさに苦笑しつつ、やっぱり少し寂しく思う。




その気持ちを紛らわすために、白石に話しかける。



緋「…じゃ、そろそろ病室戻んな！退院準備あるでしょ。」


白「そうだね。退院の前、出来たらまた顔出す。」


緋「うん、待ってる。」



白石を送り帰してからICUに向かう。






緋「…藍沢、そろそろ帰ったら？もう19時だけど。明後日またくればいいじゃん。」


藍「…ああ。」





ずっとAの隣にいる藍沢を帰し、医局に戻る。








緋「はー、…つっかれたぁ。」



固まっていた身体を伸ばすと、腰がボキボキと嫌な音をたてる。



――――私ももう年かな…



苦笑いを浮かべながらイスに体重をかける。






すると、私の斜め前に置かれたAのデスクが目に入る。





――――今まで全く気にしてこなかったなぁ。




自然と足が向かっていて、少し埃がかったデスクを撫でる。



すると、デスクの引き出しが開いていることに気づく。




そこから一枚の紙が覗いていた。



緋「…――――‥？」



なんとなく気になって、紙を出す。




緋「…！何、これ……」

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