１００と４０と５ ページ8
結局、その日はボーダーに泊り込みで仕事を片付けた。
熱はだいぶ引いたし、食欲もそこそこ戻ってきたし、何より寝れた。
…そういえば、最近、酷い悪夢を見た気がする。いったいどんな夢だったか。
「メティス先生、今日って三日目ー？」
「そうだ」
「ヒーロー殺し、どう？」
「逮捕には至ってないが、痕跡は次々に発見されている。保須に居るとしたら逮捕は時間の問題だな」
「そっかー」
流石にあそこまで警察官が保須に押しかけていたら、犯行の場所を切り替えることもあり得るかな。
でもそういう拘り、あの犯人が簡単に変える？ というか、なんでそんな拘り持ってんの？ ローカルルール？ 由来とかある？
「自宅謹慎中だからセイガとしては活動出来ないしなあ。謹慎延長は余計に困る」
うーん、と唸っていたら、メティス先生が突然、何の前触れもなく空中に映像を投影した。
いきなりどうした？ と思いながら映像を見ると、そこにはヒーロースーツを来た飯田くん。
「…は？ これって、」
「保須市内の防犯カメラ映像だ」
「はあっ！？ ちょ、事務所に連絡…っ、セイガのスマホ！」
慌ててスマホを引っ張り出し、飯田くんを受け入れてくれた事務所に電話をかける。
『はい、こちら』
「職場体験でウチの生徒がお世話になっております雄英のセイガです！ 何故飯…っ、天哉が保須に居るんですか！？」
言葉を遮り、食らいつくように質問を投げかける。
そんな私の焦りをどう思っているのか、事務所のヒーローは穏やかな声で話し出した。
『ああ、彼のお兄さんのインゲニウム、ヒーロー殺しにやられたんだろう？ それはさぞ悔しかろうと思ってな。だから、』
「せめて彼自身の手で、とでも言うつもりですか！？ ヒーローにそんな権限はありません！ そもそも保須には近づかないようにと前以てお願いしましたよね！？」
『彼の気持ちの方が大事だ』
すうっと頭の奥が沁み渡るように冷えた。ああ、これは、怒りだ。
「…彼がそう言ったんですか？ 自分の手でヒーロー殺しを捕まえたい、だから保須に連れて行ってくれ、と」
そんなこと、飯田くんの性格からしてあり得ない。
もし保須のヒーロー事務所に行ってヒーロー殺しと遭遇したら暴走してしまうかもしれないけれど、全く関係のない事務所に職場体験としてお世話になっている立場で保須に連れて行ってくれなんて我儘を言うような餓鬼ではない。
『言われなくても察してやるのがヒーローというものだろう』
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サミサ(プロフ) - 寧人との絡みなどがおもしろく楽しく読ませていただきました。続きがとても気になりますます。更新を待っています。 (2021年6月17日 13時) (
レス) id: d964c43780 (このIDを非表示/違反報告)
生 - 続きがすごく気になってます！ 更新お待ちしてます！！ (2020年7月30日 15時) (レス) id: 9eee986976 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずみかん(プロフ) - 読みやすくて、展開も好きだし面白くて大好きです！更新してくださるのを待ってます！ (2020年4月5日 16時) (レス) id: c992a0d797 (このIDを非表示/違反報告)
満月(プロフ) - ワートリ、ヒロアカのクロスオーバーで一番好きな作品です。ゆっくりでいいので、更新待ってます。 (2020年3月29日 20時) (レス) id: ed9e694ddc (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいです！更新頑張ってください応援しています！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: e522761e6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年7月29日 13時
