番外〜もしも夢主が幼児化したら〜その２ ページ47
「モノマネイト」
イレイザーヘッドさんの口から放たれた言葉には馴染みがなかった。
人名らしいそれをなんとなくおうむ返しにして、それから少し考えて口を開いた。
「いちおうたしかめておきますけど、『となりのへやでカメラをとおして私を見てる人』とかいう返答はのぞんでいない、というかいしゃくでいいですかね？」
「視えたのか？」
「いえ、聞こえました」
視えたのか、って私はまだ未来視を使いこなせてはいないんだけど。
というか、高校一年生の私は未来視をちゃんと使えるようになっているのかな。彼の口ぶりからすると、なっているんだろうな。少なくとも、周りから見たら。
「モノマネイトさんという方のことは、私は知りませんよ。あ、そうだ、先生たちにれんらくを取らなくてもいいんですか？」
「…その必要はないよ」
扉が開いて、雄英のヒーロー科の制服を着た男子生徒が入って来た。
「やあ、僕は物間寧人。未来の君の友人だよ、よろしくね」
「…友人というわりには、なんだかドロドロしてますね？」
主に刺さってくる感情が。
庇護欲と、友愛と、家族愛と、親愛と、独占欲？ 尊敬も少し混じってるかな。なんか、愛って言うよりは執着とか妄執だけど。
…え〜、私、こんな面倒くさそうな人と友達になるの？ わけわからん。
「知っているとおもいますが、三空千悠です。ぼんち揚たべます？」
「ははっ、じゃあ一つ貰おうかな」
差し出した袋から一つ菓子を摘まんで、物間寧人さんはひょいっと口に放り込んだ。やけに慣れた手つきに見えたのは、きっと気の所為じゃないだろう。
…マジかあ。え、私って面倒ごとが好きな変人になるの？
「で、先生たちにれんらくをしなくてもいいって、どういうことですか？」
「君はもう施設の生徒じゃないんだよ。君を引き取った人には、もう連絡が行っている」
嘘じゃない、けど、確実に何かを隠している。
え、何？ 私が引き取られた家って、そんなにお家事情が複雑なの？ 昼ドラ？
「へえ！ じゃあ、私にも親が居るんですね！ どんな人でしょう、会ってみたいです」
敢えて純真無垢に、何も分かっていない子供の顔をしてにこにこと笑うと、イレイザーヘッドさんがそっと目を逸らした。
向けられる感情は、同情と憐憫。
……おい未来の私、マジで何があったんだよ。
そんなこんなで、私にとっては未来の、それ以外にとっては過去の私との一日が終了した。
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紺青 - 零奈さん» ありがとうございます！ 頑張ります。 (2019年4月21日 9時) (
レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - 紺青さん» 分かりました。大丈夫ですよ。本編登場を心待ちにしています！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - 零奈さん» リクエストありがとうございます。天喰環には、番外編ではなく本編で絡ませる予定があるので、今の時点で出すことは、話の都合上出来ません。すみません。 (2019年4月20日 18時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - サクラさん» リクエストありがとうございます。「物間とデート」という題名でアップさせてもらいました。これからもよろしくおねがいします。 (2019年4月17日 21時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - リクエストで夢主と天喰環に絡んで欲しいです。できれば、あまり喧嘩腰ではなくほのぼのとした感じでお願いしたいです。 (2019年4月5日 23時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年4月2日 0時
