８０と６ ページ37
保健室に入った途端、リカバリーガールさんに物凄い顔で睨まれた。どうやら、具合が悪いのが一目でバレたらしい。
あ、ミスった、と即座に後悔するものの、時すでに遅し。
「あ、あはははは…」
「イレイザーに報告するよ」
「さーせんっした。イレイザーさんガチで怖いんで勘弁してください」
土下座する勢いで頭を下げ謝罪すると、はあ、と呆れたような溜息が降ってくる。これは怒ってるなあ。
「アンタはまだ子供なんだから無茶しない！ 全くこれだから…」
この人は、何かにつけて私を�犹匐＾靴き瓩垢襦�そのちょっと婉曲的な優しさに心の中で感謝しつつ、でもそれを口に出すと色々と崩れてしまうので笑みをキープ。
そんな私に更に苦々しい顔になったリカバリーガールさんは、その表情のままポケットから飴を取り出して私に渡した。ありがとうございまーす、と受け取る。
初めて会った時、どんなお菓子が好きかと訊かれて、何も考えずになんとなく飴と答えたら、それ以来常備してくれている。優しい。
人工甘味料のたっぷり使われた甘い飴を口の中でころころと転がしながら、生意気っぽい笑みを作って言った。
「じゃあ、子供じゃなくなったら無茶していいんですか？」
「そういうことは大人になってから言いなさい」
ピシャリと、取りつく島もなく跳ね除けられる。
大人びている、と言われることが多い、そうでなくても立場上大人扱いが殆どな私にとって、こういう風に接してくれる大人は希少だ。
はぁい、と間延びした声で返事をした私に何を思ったのか、リカバリーガールさんは一瞬だけ何かを逡巡するような表情になった。
しかしそれもすぐに消え失せて、「で、どうしたんだい？」と本題を振る。
「緑谷くんの怪我について、見せて欲しいんですよ」
「…何かあるのかい？」
「それの確認です」
渡された紙の束を、一枚一枚見ていく。…うん、まあ、これなら誤差の範囲内かな。
「ありがとうございました」
「どうだった？」
「まあ何とかなるかな、と」
実に抽象的な、分かりやすく煙に巻こうとしている私の言葉にリカバリーガールさんはまた怖い顔になって、それでも何も言わないでくれた。
……ホント、この人は優しいなあ。
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紺青 - 零奈さん» ありがとうございます！ 頑張ります。 (2019年4月21日 9時) (
レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - 紺青さん» 分かりました。大丈夫ですよ。本編登場を心待ちにしています！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - 零奈さん» リクエストありがとうございます。天喰環には、番外編ではなく本編で絡ませる予定があるので、今の時点で出すことは、話の都合上出来ません。すみません。 (2019年4月20日 18時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - サクラさん» リクエストありがとうございます。「物間とデート」という題名でアップさせてもらいました。これからもよろしくおねがいします。 (2019年4月17日 21時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - リクエストで夢主と天喰環に絡んで欲しいです。できれば、あまり喧嘩腰ではなくほのぼのとした感じでお願いしたいです。 (2019年4月5日 23時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年4月2日 0時
