D.Gray-man ノアの一族でアレンの妹！？ (ページ5)

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第三話　ページ5

話を始める前に食糧を片付けた

スイラの手伝いを進んでするAは、まるで母親の真似をする子供のようで

その微笑ましい様子に、スイラは幸せを噛み締めた

一通り片付いたところで、スイラは紅茶を淹れた

作り置きしてあったケーキと共に出し、椅子に腰かける

「ここには野生動物以外はあまり立ち入りませんので、誰かに聞かれる心配はご無用です」

「なるほど、だからさっき熊が出たんだねぇ」

ロードが納得したように言い、Aが頷く

「熊!? お怪我はありませんでしたか!?」

「大丈夫だよぉ、スイラ」

けらけらと笑うロード

大丈夫、大丈夫なのは分かっている

スイラの目の前にいる少女２人は、ただの人間ではない

特別な能力を持つ異端者たちだ

特にロードに関しては、幼い容姿と内面は釣り合わないらしい

思わず立ち上がってしまい、少し照れながらスイラは腰を下ろした

咳ばらいを一つして、本題へと切り替える

「伯爵様に報告した件ですね」

スイラの手元には綺麗に整えられた書類が数枚置かれている

「最近、おかしな能力を持ち始めた娘がいます」

ケーキを口にしながら、ロードとAが続きを促す

「その娘はどんな怪我でも治せ、さらに、死にかけの人間ですらまるで何事もなかったかのように治すことができると」

これが事例です、と書類を２人に見せる

１ページでは収まらない事例の多さに、Aは目を瞬いた

「イノセンスが関わっている可能性が、高い」

「はい。この娘ですが、少し前に意識が朦朧としているところを、村の人間に発見されました」

「外部から来た人間なの?」

ロードの問いに、スイラが首を横に振る

「村の人間です。全快後、おかしな力で怪我人を治せるようになりました」

はぁ、とAがため息をつきながらフォークを回す

「だから、このごろAKUMA作れないのかぁ」

「申し訳ありません」

スイラが立ち上がり、頭を下げる

ふるふるとAが首を振り、ロードに視線を投げる

「それよりもさぁ、その人間の怪我がアクマに襲われたものだったら…」

「イノセンスが覚醒した、適合者ってことだよね」

「厄介だなぁ」

そんな風に口では言いつつも、Aとロードはくすくすと笑った