D.Gray-man ノアの一族でアレンの妹！？ (ページ20)

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第十七話ページ20

「ぎゃ、あぁぁ、あ、あッッ!!」

再びトーンが悲鳴を上げた

トーンの身体がボロボロと壊れていく

「な…っ!?」

光に包まれたナーラの手がトーンに触れた瞬間の出来事

光が、トーンを傷つけている

その事実に気付いた

トーンを傷つけたのは伯爵ではなく、自分自身

「わ、私は…」

私は、トーンを傷つけているだけだった

私のせいで

全ては、私のせい

「ナーラ」

酷く優しい、声がした

「ナーラ、君を、愛してる」

それが、別れの言葉だと気づいても

「解き放ってくれ」

止めるすべを、ナーラは知らない

光を辺りを包んだ

崩れていく愛しい人の身体を、どうしても縋りたくて手を伸ばした

抱きしめることさえも許されなくて

それでも、光の向こう側で

[彼は笑っていた気がした]

＊

「ナーラ…? ナーラじゃないか!」

誰かの声がする

どこかで聞いたことのあるような、ないような

薄く目を開いて、相手を確認した

私は、生きている

愛しい人を傷つけるだけ傷つけて、それでも、私は生きている

「私は…罪深き、人間です…。愛しい人を、ただ…ただ……傷つけて、辱めて……」

「ナーラ？何を言っている…?」

「ああ、トーン…。本当に…、本当に、ごめんなさい」

何度謝っても、許されることではない

いや、許されない

もう、許されないのだ

「ナーラ!? おい!! クソ、おい、早く医師を!!」

怒鳴り声を遠くに聞きながら、私は意識を手放した

次に目覚めたとき、どうか死後の世界でありますように

いいえ、二度と目覚めませんように

そんな願いを抱きながら、私は深く深く沈んでいく

あの光は何だったのか

伯爵とは、アクマとは

どうしてトーンが崩れていったのか

分からないことばかりだけれど

ただ、私は罪を犯した

神に逆らい、禁忌に手を伸ばした

それだけは、分かった

今ここにいるのは、愛する人を苦しめた挙句、自らの手で消し去った罪人

ああ、神様

私は、罪深き人間です