..〃 ページ21
.
このことを瓜江くんに伝えると、予想通りの反応が返ってきた。
昇進のためには今回の功績が必要不可欠。そんな時に六月くんを本陣まで連れて行くのはなんとも言えない気持ちだろう。
しかし、和修準特等からの命令。私たちは口を出すことができない。
瓜江「…わかりました。」
佐々木「六月くんをよろしくお願いします。」
琲世は瓜江くんに頭を下げて、2人の後ろ姿が見えなくなるまで見届けた。
佐々木「良かったのでしょうか、これで。」
『仕方ないよ。和修政準特等の命令だから、琲世がいろんなことを考える必要はない。』
困ったように眉毛を下げて笑う琲世は「はい、ありがとうございます。」と頭を掻いた。
悩むよりも、今はナッツクラッカーをどうにかしなければ。
＿＿＿＿＿＿＿
ナッツクラッカーが大芝班を全滅させたという場所へ向かう途中、大芝班の班員1人が座り込んでいた。
佐々木「あなたは大芝班の…。」
林村「林村だ…。上にナッツクラッカーが…。班長と後輩がまだ…。」
和修政準特等から大芝班は全滅だと聞かされていた為、どう返事をして良いのか分からなかった。
林村一等は建物から落下し、木がクッションとなって助かったようだ。
『すぐに医療班の要請をしますね。』
林村「助かる…」
オウル「あぶなああああ……いッ！！！」
叫び声が聞こえ、黒い何かが目で追う事ができない速度で通り過ぎた。私は何も反応できず、状況把握もできなかった。ふと琲世に目を向けると、既にクインケを構えて見知らぬ者の蹴りを押さえている。だけど蹴りは重く、クインケは琲世の上半身にズブブと音が聞こえるのではないかと思うほど食い込んでいた。
オウル「オッほぉぉ！マジかッッ！！！止めやがったッ！！！」
蹴りに耐えきれず、地面に叩きつけられた琲世の元に駆け寄った。
『琲世！！！大丈夫！？』
傷は再生しているから、なんとか大丈夫そう…。
だけど胸を撫で下ろす暇なんてなさそうだ。
オウル「へぇ…？オメエ、こいつと…。ヒヒヒヒ。」
この声＿
頭の中で走馬灯のように記憶が蘇る。
滝澤さんと出会った日のこと。
滝澤さんと楽しく過ごしたこと。
滝澤さんとの思い出が次々とあふれる。
目からは雨粒のようにボロボロと涙がこぼれ、私は手で口を押さえて声を押し殺すが、嗚咽が止まらなくなった。
『た…滝澤さ…んっ……？』
声が震えた。
直視できない。
怖い。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
檸檬だろう - 最近東京喰種を見て沼ったものなのですが、とっっっても面白いです！！政道君の良さが溢れててもう……本当に……良すぎて……体調にお気をつけながらまた更新していただけるといいな、と思っておきます！！！！ (7月2日 17時) (
レス) @page35 id: 36eb5f3518 (このIDを非表示/違反報告)
こう(プロフ) - 続きがよみたいです！！ (2022年10月3日 22時) (レス) id: 4a2c317405 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - みぃさん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません。ありがとうございます！最近なかなか更新ができていませんが、少しずつ更新していきますのでどうぞよろしくお願い致します。 (2021年9月15日 14時) (レス) id: bdddc99c39 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - お忙しいなか更新ありがとうございます！！無理なさらないようにしてくださいね。 (2021年9月3日 1時) (レス) id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
さの。(プロフ) - まこさん» そうだったのですね！コロナワクチンお疲れ様でした。どうかご無理はなさらずに (2021年8月12日 12時) (レス) id: 8d3664e567 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まこ | 作成日時：2021年5月12日 11時
