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トルソー、オロチ確保失敗から数日後の夜。
パンッ！！と乾いた音がシャトーのリビングに響く。琲世が瓜江くんの頬を叩いたのだ。
数日前のトルソーの捜査で、班長である彼が撤退せずに班員を危険な目に合わせたのが原因だ。
佐々木「瓜江くん。君を…クインクス班の班長から解任する。」
まさか琲世の口からそんな言葉が出るとは想像していなくて、愕然としてしまった。
急なことで瓜江くんは納得いかないのだろう。これから改善すると言うが、彼の上官である私らは部下が何を考えているのか、ある程度察することができる。
彼の場合は昇進のことばかり考えていて、周りのことが見えずに班員を危険に晒す可能性が高い。いや、もう危険に晒したんだ。
そんな瓜江くんを班長というポジションに置いておくと、私たちが周りから何を言われるか分からない。
私も琲世の判断に賛成だった。
壁に体を預け、2人のやり取りを黙って聞く。
瓜江「…喰種のクセに。」
彼が呟いた言葉は琲世に相当効いたようで琲世の顔が引き攣る。
瓜江くんの言葉に不知くんは堪忍袋の緒が切れて瓜江くんの腹部を蹴り飛ばして怒鳴り、六月くんも「先生に謝ってほしいです。」と小さな声で言った。
琲世にとって今の出来事は辛いことかもしれない。
だけど、琲世は周りに恵まれていると感じた。
以前の不知くんなら琲世のために怒らなかっただろう。
以前の六月くんは琲世のために謝ってほしいと他者に言えただろうか。
この状況に、少しだけ微笑ましくなった。
新班長は不知くんだと任命されて話が終わり、みんな自室へ戻っていく。
私は帰宅する前に琲世のことが心配で、琲世の部屋をノックした。
『琲世。』
返事はない。
『琲世？部屋に入るよ？』
扉を開けると、目の前に琲世がいた。
腕を引っ張られて、よろめきながら部屋の中に入ると、扉はバタンッと勢い良く閉じた。
私の足元でしゃがみ込み、声を押し殺しながら泣く琲世。
『さっきの言葉、辛かったね…。』
私はしゃがみ、琲世の黒と白の混じった髪を撫でる。彼の目からはしきりに涙がボロボロと溢れ出ていた。カバンの中を確認したが、ハンカチやポケットティッシュが入っておらず、部屋に置いてあるティッシュケースを取りに行こうと立ち上がった。
佐々木「まだ…このままでいてくれませんかっ…。」
私の手を力強く掴んで離す気配はないようで、私は再度しゃがみ、頬を伝う涙を手で拭った。
『いいよ。』
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檸檬だろう - 最近東京喰種を見て沼ったものなのですが、とっっっても面白いです！！政道君の良さが溢れててもう……本当に……良すぎて……体調にお気をつけながらまた更新していただけるといいな、と思っておきます！！！！ (7月2日 17時) (
レス) @page35 id: 36eb5f3518 (このIDを非表示/違反報告)
こう(プロフ) - 続きがよみたいです！！ (2022年10月3日 22時) (レス) id: 4a2c317405 (このIDを非表示/違反報告)
まこ(プロフ) - みぃさん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません。ありがとうございます！最近なかなか更新ができていませんが、少しずつ更新していきますのでどうぞよろしくお願い致します。 (2021年9月15日 14時) (レス) id: bdddc99c39 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - お忙しいなか更新ありがとうございます！！無理なさらないようにしてくださいね。 (2021年9月3日 1時) (レス) id: c397bf8382 (このIDを非表示/違反報告)
さの。(プロフ) - まこさん» そうだったのですね！コロナワクチンお疲れ様でした。どうかご無理はなさらずに (2021年8月12日 12時) (レス) id: 8d3664e567 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まこ | 作成日時：2021年5月12日 11時
