2話 ページ3
『………あぁ、約束の薬…』
いつか私が彼女に相談したときの薬を貰えるみたいだ。
今の今まで、手紙を貰うまで、いや、貰っても少し忘れかけていたが、思い出した。
拝啓、Aさんへ
この間仰っていたお薬がやっと届きましたので、私の屋敷に暇があるときで構いません、お伺い願えますか。
遅くなり申し訳ありません。
敬具 胡蝶しのぶ
そう、綺麗な文字で書かれていた。
『相変わらず達筆やなぁ』
思わず独り言が溢れるほど。
胸ポケットに再度しまうと、旻天はまた屋根に止まった。
「マダ悪イノカ」
何故か最初を強調されたような気がしたけど、まぁいい。
『年の功やな』
そういえば、バカダロ、と帰ってくる。
そんなつっけんどんでも、旻天は出かけるときは必ず着いてきてくれる。
そういう優しいところが、私は好きだ。
隊服に着替え、見えぬ所に剣を挿す。
真っ白な羽織を上から羽織って、家を出た。
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作者名:ハナノキ | 作成日時:2023年4月6日 14時