【QK】王子様、誰を選ぶの！【izw】 (ページ10)

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どこの出逢ページ10

『結局みんなはもともと知り合いだったの？』

｢知り合いっていうか、その年の王子は一人一人に赴いて選ぶスタイルじゃなくてお前らがこいよって言うスタイルだったんだよね｣

うわ、傲慢。なんやそれ。

｢そうそう！パーティーなんて初めてのことでびっくりした～。みんな綺麗でさ！王子仕留めれるか不安だったんだよね｣

当時のことを思い出してはぁとため息をついている山本さん。

そしてひとつの質問をなげかけた。

｢あ、そうだ、この中で王子と誰が結婚したか覚えている人いる？｣

こうちゃんや福良さんは悩んでいる様子。

｢福良さん、というかシンデレラじゃなかったっけ？｣

須貝さんが言う。福良さんの方を勢いよく見る山本さんとこうちゃん。急に見られて驚く福良さんも可愛いね。え？違う？

｢えぇ、俺だっけ？｣

リアクション動画とは見違えるほどのリアクションを見せてくれる福良さんも素敵。

｢なんかさぁ、え？みんな覚えてない感じ？言うて俺もはっきり覚えている訳では無いのよね｣

考えるポーズをしてあの時は..と須貝さんが口を開いた時急に立ち上がって声を発する伊沢さん。

｢待って？みんなさ、今が仕事中って覚えてる？すぐ終わるからって集められたけど普通に編集終わってないやつとかあるよね？｣

その一言で全員が現世に引き戻される。なんだか昔の空気に飲み込まれていたような気分。多分私にも前世はあるんだろうなと、この話し合いで感じる。

やっぱり王子なのかな。そうなったら私はどうすればいいのかな。というかなんで現世に記憶を引き継がせたのだろう。なにか心残りでもあったのか。はたまたただの呪いなのか。

王子と結ばれなかった姫の、はらいせとか。

なーーーんて。なんてね！怖い怖い！嫌だ嫌だ～。

コキコキと首を鳴らしパソコンに向かう。解散して会議室から出たあとも結局一緒にいることは変わらないのだから少しの間変な空気が漂っていた。

席が隣同士の山本さんとこうちゃんはコソコソと話してやがて静かになり仕事モードに入った。

周りをちらりと確認して私も集中しなきゃな、と気合を入れる。

しばらくはドレスを着たみんなが頭から離れなかった。