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いつの郷愁 ページ6

オフィスから家までの道のりを歩く。薄暗くなったこの道は女ひとりで歩くには些か不安ではある。

コツコツとヒールの響く音。風が吹いて木の葉の擦れ合う音。私じゃない誰かの靴音。

ピタリと足を止めると早くなる足音。え、こういうのって同時に止まるんじゃないの?近づいてきている?怖くない?もしかしてピンチ?

鞄をしっかりと持ち直して勢いよくスタートする。ひぃ逃げろ怖い怖い見た目イケメンでも心は臆病なんです〜〜〜!!

「まってっ!!」

『いやぁああああ』

「俺だって!!!」

『オレオレ詐欺やん絶対ぃーーーー』

「待てって!」

『ひぃ』

追いつかれた!肩掴まれた!終わった!今までありがとう!!!

「はぁ、いや立ち止まったから俺に気づいたのかと思って駆け寄ったら全力で走り出すし...」

ふぅ、と肩で息をしているのは不審者でも何でもなかった。

『あっれぇ!!!須貝さん!!!!』

「ナイスガイの須貝で〜すってこれ毎回やらされるのなに」

『んふんふ好きです』

「はいはい、帰りかぶったし危ないから一緒に帰ろ」

そう言って私の頭にぽんと手を置いた。彼だけは私のことを女扱いしてくれる。ほんと素敵だなぁ。あ、好きとかじゃないんですけどね。

『やっぱナイスガイやわ 推せる。』

「エセ関西弁やめて」

『似非ちゃいますぅ』

「はいはい、帰りますよ こっち?」

『うん!そう!』

「君は敬語ってもんを知らないねぇ」

『須貝先輩はーと』

「ハートを口で言うんじゃないよ」

『んふふ、あ、須貝さん』

彼もなのかなって思って話を振ろうとしたら彼が察したようで俺もあるよと言い出す。須貝さんがお姫様ってやばくない?何この世界。男女逆転で前世持ちなのかな?って聞いたら山森さんは4番目の小人だったって言ってたよって言うからそういう訳では無いみたい。

『えぇ、そんなにみんな前世あるんやったら私も欲しい思い出したい』

「ほんとに何も記憶ない系?」

『うん...全く思い出してないかも。』

「ほら、なんかさぁ小さい頃の記憶だと思ってたけど実は前世の記憶だったとかあったりするよ」

『ええ、なんだろ。昔の思い出かぁ。』

それっぽいものを思い出そうとしても何も出てこない。私の悩み顔はかなり変なようで外で考えるのはやめた方がいいと言われた。酷いな?そうこうしているうちに家に着き解散をした。

いつの会話→←いつの記憶



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作品ジャンル:恋愛
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ナツ(プロフ) - 作品拝見させて頂きました!これは某漫画をオマージュしたパロディ作品なのでしょうか? (2020年8月11日 12時) (レス) id: d642bbf40b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:やまだはなこ | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年7月18日 17時

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