硝子の家庭 ページ21
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『元姫は前世と境遇が似てるって聞いたんだけど、ふくらぴーもそうなの?』
唐突に前世について聞いてくる榊。気になるの?前世のこと。俺の事、気になってくれればいいのに。
「んー、兄が二人いるよ。能天気で女たらしでだらしない長男が1番の稼ぎ頭で。」
『へぇ、お兄さんが2人!意外だな』
あまり、福良さんは家族のこと話さないもんねなんて笑っている。そりゃそうさ。あんな兄、大嫌いだよ。
「僕はその兄に与えられた環境でここまで来たんだよね。皮肉だよな。大嫌いな兄のおかげだなんて。」
少し、愚痴ってしまう。俺らしくもないな。
『福良さんはいいひとだなぁ、』
ニコニコしながら意味のわからないことを言う。
「何言ってんの。兄のことこんなに貶しているのに」
『福良さんはなんだかんだ、家族が大切だって伝わってくるよ。家族思いで、人生の前向きな目標がある人が悪い人なわけがないじゃん。』
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母と、姉に掃除をしろと頼まれたのです。
そう言うと王子はびっくりした表情をした。
「そんな仕打ちを受けていても、まだ母、姉と呼ぶのかい?.....家族思いの優しい人だね。あなたは。」
ふわりと笑って私のことを認めてくれるあなたの目に、私は写っていなかった。優しい言葉と寂しげな瞳が正反対で、より、あなたに惹かれたんだ。
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『福良さん?』
ああ、この子は本当に王子なのかもしれない。こういうことがきっとこうちゃんにも山本にもあったのだろう。
取られたく、ないなぁ。
「本当はつたえるつもりなかったんだけど、好きな人を困らせる趣味もないし。」
そう言うと驚いてこちらを見つめる。目が、言わないでと語っているね。ごめんね。酔ってるから自制が効かないみたい。
「やっぱこのまま黙って後輩に取られるのも癪だし言っておくよ。」
『.....なに』
はは、無視はしないんだ。律儀だなぁ。
「前世だ何だが関係なく、あんたのこと、俺ずっと好きだからね。」
目を見開いて俺の目を少し見つめたあと分かりやすく目を逸らす。そんな困った顔、しないでよ。
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ナツ(プロフ) - 作品拝見させて頂きました!これは某漫画をオマージュしたパロディ作品なのでしょうか? (2020年8月11日 12時) (レス) id: d642bbf40b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまだはなこ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年7月18日 17時