【QK】王子様、誰を選ぶの！【izw】 (ページ20)

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硝子の愛情ページ20

your side

仕事を終えて居酒屋へ。個室居酒屋とか初めて来たよ。2人で生ビールを注文して乾杯。

勢いよく喉を流し込み疲れが取れていく感じがした。ビールはあまり好きではないけれど、悩んでいる時はこの苦味がちょうど良かった。

｢何があったの｣

『後輩が前世に飲み込まれました』

｢いやなにごと｣

あはははと声を上げて笑う福良さんはコメント欄で言われている通り可愛い。酔うともっと可愛いから注意が必要である。

今日はあまり飲まないでおこうね、と伝えて枝豆をつまみながら話した。

『なんか、前世ってそんな大事か？』

｢ん～、まあ、思い出してない側からしたら意味不明だよね。｣

『どうせなら思い出したい。』

｢.....思い出したらさぁ、またシンデレラとくっつく？｣

私の瞳を見つめながら試すようなセリフを吐く。シンデレラ。つまり福良さん。

『福良さんもう酔ってんの？』

｢ふふ、酔ってないよ。こうちゃんと山本には何言われたの｣

『.....特には？』

｢いやわかり易すぎだから｣

福良さんには隠せないなと観念し連日のことについて話した。彼はウンウンと頷きながら私の話を聞いてくれた。私はこれからどうすればいいのか。なぜ転生したのか。悩んでいることをぶちまけた。

｢えぇ、結構グイグイ来るね、特にこうちゃん｣

『ほんっっとに、心臓に悪いからやめて欲しい』

｢.....ドキッとしたの？｣

机にベタりと伏せていた福良さんが顔だけこちらを向けて上目遣いで聞いてくる。相当酔っているな。ちらりと時計を見てそろそろ帰りますか？と誤魔化すも通用しない。

『まあ、正直に言うと、そうですね』

｢榊、いいたくないこと言う時敬語に戻るね｣

『そういう事は突っ込まなくていいの！』

｢ふふふ、嘘つけないもんなぁ榊は｣

相当酔っているというのにまだ注文するらしい。明日は確かに休みだけども。これ帰れるんか？

『福良さんちゃんと1人で帰れますよね？』

｢んー、まだ余裕よ｣

『あぁ可愛い....』

｢ふふ、あ、写真撮ろうよ｣

『OK！』

加工アプリを開いてフィルターだけつける。内カメにして前髪を整えてスマホを構えるとダブルピースをしているふくらさん。可愛すぎて手が震えた。

『後で送っとくね～』

｢もれたぁ？｣

『いつでも盛れてるから完璧よ』

なにそれって笑う顔を勝手に写真に撮るとびっくりしたあとにへらりと笑っていた。