【QK】王子様、誰を選ぶの！【izw】 (ページ11)

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どこの交渉ページ11

ある日全ての姫に一通の手紙が届いた。

手紙の主は誰もが喜ぶ彼であった。

○月✕日僕の城の前にとびきり素敵な格好をしてきてくれ。待っている。

そんな手紙を見た姫達は私が王子に選ばれたとみな喜んだ。

しかし、当日来てみれば周りには色とりどりの女がいるでは無いか。なんの冗談だこれは。言い合いになりそうな雰囲気が漂い始めた頃。彼が現れた。みな一斉に見上げて彼を見つめた。

「あつまってくれてありがとう。僕はこの中から妃を選ばなければならない」

王子は城の上から私たちを見下ろしながら言い放つ。その目にはなんの感情もこもっていなかった。

この状況に納得が言っていないものの、我こそとどの姫も意気込んだ。降りてきた王子の元に駆け寄る色とりどりの花。その中に彼の求む花はいなかった。

ある姫は尋ねた。足元にキラリと光る透明の靴を履いている姫だった。

｢王子は、誰をお求めなのですか？私たち花の中にあなたの望む花はいないのでしょう？｣

強かに妖艶にそれでいて無邪気に彼女は微笑んだ。私を利用しませんか、と。お互いに利益はあると思うのですが、と。一歩、王子に近づく。王子は顎に手を持っていき周りの姫を遠ざけた。そして王子はその姫に目で来いと訴えた。姫はクスリと笑って一つ礼をしまた1歩近づいた。そして耳元をひっそりとこう言った。

｢愛なんていらないわ。あなたの身分をちょうだい？あなたは自由を手に入れられるわ。｣

その言葉を聞いて王子は少し眉を上げた。

｢面白い。君を選ぼう。｣

そう言った王子は他の姫たちを無視して彼女の手を取った。

彼女はちらりと別の方を見てまた王子に目を戻す。

周りの姫たちは騒いだ。それも当たり前のことである。王子はどの姫にも均等に優しく甘い言葉を吐いていたのだ。なんてずるい王子だろう。

そんな王子に腹が立つ姫がいても嫌いになる姫はいなかった。

どの姫も自分に向けられた言葉が自分を救ってくれる言葉だったからだ。王子は口がうまかった。計算ではなく、天然で、素直で、素朴な気持ちを伝える王子を嫌えるひとなどいなかったのだった。