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ずんとした気分でベッドに沈みこんでいると山本さんが部屋に入ってきた
｢ね！お風呂入る？｣
『あー、うん。』
｢.....どしたの？｣
『説明、聞いたの』
｢あ〜.....｣
そっか、と言いながら頭をぽんと撫でてくれた。何も言わないってことは山本さんも同じこと思ってるんだな。
『お風呂入る』
｢うん、スッキリしておいで｣
『どこ？』
｢こっちおいで｣
山本さんについて行きここに来て初めての外出。
廊下は白い鉄の板が機械的に繋がっているような感じ。風呂に案内されてようやくスーツが脱げる。肩が凝り固まってゴキゴキ言う。
お風呂に浸かるとつかれがふわふわと取れ心地よくなる。福良さんの言葉を思い出して、ちょっと涙が出た。
早く 殺してくんないかな。もうこういう思いしたくなくって覚悟したのにさ。...こんなこと考えながら浸かっていたら茹だってしまう。
湯船から上がり脱衣所へ行くとワンピース型のパジャマのようなものが置いてある。下着もタオルの間に挟まっていた。病院で使われるようなこのパジャマを着るとより被験者という言葉が似合う格好になる。サイズ、下着もピッタリだし。気味悪いなやっぱ。
タオルで髪の毛を拭いているとコンコンコンとノックの音が聞こえたため返事をすると予想通り山本さんが入ってきた。
｢すっきりした？｣
『うん、ありがとう』
｢よかった！ご飯は？｣
『あー、さっき福良さんがお粥作ってくれたよ』
｢そっか！お腹まだ空いてる？｣
『ん〜少し』
｢じゃあさ！僕の好きなクリームパン持ってくる！部屋で待ってて！｣
そこの角右に曲がったらさっきの部屋着くからと言い残して反対方向に走っていく。廊下は走っちゃ行けないよなんて声をかけるとピタリと止まって早歩きをする彼はなんだか少し可愛く見えた。
部屋で待っていると山本さんが入ってきてはい、と手渡されたそれはふわふわで甘い匂いでとても美味しそうだった。
食べようとしていたらじっと山本さんが見つめてくるもんだから半分こしようかと提案すると目輝かせてこちらを見てくる。
犬みたい。って笑うと怒ってぷいと向こうを向いてしまった。無視して一口食べ美味しいと声に出すとバッとこっちを向いてでしょ！！って笑う。可愛いな。
.....こんな平和な時間が もっと早く来ていたら。
私はこんなとこにいなかったのかな。
でもあの決断をしたから山本さんに会えたわけで。
あぁ。私。今どうしたいんだろ。
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聡 - 最後のたくしくんきになるぅ (2020年8月7日 14時) (
レス) id: 3b6429b52f (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - いろさん» 読んでいただき、またコメントまでいただきありがとうございます..!!文章が綺麗だなんて1番幸せな言葉をありがとうございます...!!本当に嬉しい....!元ネタ知らなくても楽しめるよう文章を考えているので続き気になっていただけて良かったです！！ (2020年7月11日 22時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 初めまして！元ネタを知らないのですが文章が綺麗で続きを読む手が止まりませんでした…！応援してます…！ (2020年7月11日 17時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - 黄色い恐竜さん» .....ファッ推しからのコメントっま！？うぇ、ありがたいですほんとにほんとにありがとうございますっっっ (2020年7月8日 0時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - 私も好きですって言いに来ました！元設定あまり知らないので新鮮な気持ちで読んでます！めちゃリアルに想像出来る……！楽しみにしてます！ (2020年7月7日 23時) (レス) id: b6e9739407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまだはなこ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年7月7日 16時
