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夢を見た。
小さい頃の夢。
ブランコから落っこちて 頭を数針縫った時の記憶。
病院の先生は優しくて とても大好きだった。
顔はもう覚えていない。
小児病棟で仲良くなったお友達は 名前すら分からない。
こんなに暖かい記憶 どうして忘れていたのだろう。
ふと目を覚ますと あの日と同じくベッドのふちに人がいる。
あの日と違うのは 山本さんではなく 渡辺さんだったこと。
『渡辺さん..?』
｢ん..あと少し寝かせて.....｣
ウトウトと甘えた声を出す彼。普段の姿とは180度違う。
『おーい』
｢.....えっ？｣
飛び跳ねて起き、辺りを見渡して額に手を当て数秒時が止まった。
『おはようございます』
｢あ、おはようございます。うわ、最悪。｣
『最悪ってなんですか』
｢こんなとこ見せたくなかったんです｣
寝るつもりで来たんじゃないのにとブツブツ言っている。そのうち来た目的を思い出したのか真剣な顔をしてこちらを向いた。
｢なんで昨日やめたの｣
『よく考えたら聞く必要ないと思って』
｢生きたいんじゃなかったの｣
『そうだけど てかこれ聞かれてていいの？』
｢.....部屋の設定いじってきた。｣
『は！？そんなこと出来るの！？』
｢俺がここで再利用されてるのは脳が優秀だからなの そんくらい余裕｣
『はぁ〜.....やっぱ頭いいんや...』
｢ま、大学入ってすぐ死のうとするくらいメンタルは弱いけどね｣
『あれ、じゃあ大学は中退したってこと？』
｢いや、ここで働きながら卒業させてもらったよ｣
ちなみに東大、とドヤ顔されて今までのイメージが一気に崩れる。渡辺さんじゃないなこれは。こうちゃんや。
『こうちゃん』
｢え、急にこうちゃんなの｣
『そっちこそ急にタメ口じゃん』
｢いやだってそれはそっちがさぁ！｣
『それが素？』
｢あー、そうかも｣
『なんであんなに真面目ぶってたの』
｢仕事だし。変に生きる希望与えるの、苦しいの知ってるし。｣
『はは、確かに。』
｢ね、山本さんのこと信用しすぎたらだめだよ｣
『.....うん。』
｢分かってる？｣
『分かってるよ』
｢.....篠田さんは結局どうしたいの。このままでいいなら俺ももう干渉しない。しちゃ、ダメだから。｣
訴えるような苦しんでいるような表情で目を見つめてくる。
そんな目で見ないで。私の事を見透かそうとしないで。
あの日。本当は誰かに救われたかったこと。
きづかないままでいてよ。
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聡 - 最後のたくしくんきになるぅ (2020年8月7日 14時) (
レス) id: 3b6429b52f (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - いろさん» 読んでいただき、またコメントまでいただきありがとうございます..!!文章が綺麗だなんて1番幸せな言葉をありがとうございます...!!本当に嬉しい....!元ネタ知らなくても楽しめるよう文章を考えているので続き気になっていただけて良かったです！！ (2020年7月11日 22時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 初めまして！元ネタを知らないのですが文章が綺麗で続きを読む手が止まりませんでした…！応援してます…！ (2020年7月11日 17時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - 黄色い恐竜さん» .....ファッ推しからのコメントっま！？うぇ、ありがたいですほんとにほんとにありがとうございますっっっ (2020年7月8日 0時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - 私も好きですって言いに来ました！元設定あまり知らないので新鮮な気持ちで読んでます！めちゃリアルに想像出来る……！楽しみにしてます！ (2020年7月7日 23時) (レス) id: b6e9739407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまだはなこ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年7月7日 16時
