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彼を責める言葉ばかり出てくる。これはただの八つ当たり。この人は関係ない。そうわかっているのだ。上が決めたことなのだろう。でも口から出る言葉を止められない。
『いいよね。国の機関なんて。さぞかしいい生活してるんだろうね。』
_私みたいに 惨めな思いしなくて済むもんね_
妬み恨み、嫌な感情全て彼にぶつける。最悪だ。私。
｢そんなふうに思うのも理解できます。｣
僕もそうでした。
『えっ』
帰ってきた言葉は想像していたものではなくなぜか、共感をする言葉だった。
｢僕もここの被験者だったんですよ。｣
続けて彼はニコリと笑って呟いた。
『どうして なんで、』
｢なんで今働いているのか？｣
だって、さっきは無理って。あなたがいいなら私もいいじゃん。
｢僕、今再利用の途中なんですよ。｣
サラリといつもの口調で言い放った。
『どういう、』
｢僕もね、ここに連れられてきたんですよ。｣
あの時は。と呟いて少し止まる。もう一度口を開き渡辺さんが過去の話をしようとした時、ガチャリと鍵が空いて山本さんが部屋に入ってきた。
｢篠田さん！｣
『えっ、え？』
｢なんか、解剖科の人がよんでるよ！だからこないだの部屋いける？｣
『え、はい。分かりました。』
話の途中だけれどあまりの勢いに圧倒され部屋に向かった。
解剖室に向かって何があったのか聞くと、ただコーヒーを飲む相手が欲しかったというなんとも身勝手な理由であった。
部屋に帰ってくると 渡辺さんの姿はなくニコニコと笑う山本さんだけがいた。
その笑顔はいつもよりも
綺麗で 不気味で
少し、恐怖を感じる。
｢おかえり 篠田さん｣
『あ、うん、ただいま』
｢河村さん、なんて言ってた〜？｣
『あ、え、なんだったっけ。』
｢.....どうしたの？｣
『.....そっちこそ』
｢え？｣
『変だよ。凄く。』
｢そうかな。それならごめんね。あ！伊沢さんがね明日ならもう大丈夫って言ってたから。｣
『渡辺さんどうしたの？』
｢.....こうちゃん？他の担当の子のところに行ったよ！気になるなんて仲良くなったんだね〜！よかった〜｣
『そうなんだ』
｢うん、あ、僕もちょっと行くね。また夜来るから！｣
ぱたぱたと部屋を出ていった彼を無言で見つめていた。 彼は嘘をついている。悪びれもなく。
あのさ
渡辺さんは本当はどこに行ったの？
そういえば
彼は担当私だけって言っていたよ。
ねぇ
彼が被験者だったってどういうこと？
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聡 - 最後のたくしくんきになるぅ (2020年8月7日 14時) (
レス) id: 3b6429b52f (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - いろさん» 読んでいただき、またコメントまでいただきありがとうございます..!!文章が綺麗だなんて1番幸せな言葉をありがとうございます...!!本当に嬉しい....!元ネタ知らなくても楽しめるよう文章を考えているので続き気になっていただけて良かったです！！ (2020年7月11日 22時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 初めまして！元ネタを知らないのですが文章が綺麗で続きを読む手が止まりませんでした…！応援してます…！ (2020年7月11日 17時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - 黄色い恐竜さん» .....ファッ推しからのコメントっま！？うぇ、ありがたいですほんとにほんとにありがとうございますっっっ (2020年7月8日 0時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - 私も好きですって言いに来ました！元設定あまり知らないので新鮮な気持ちで読んでます！めちゃリアルに想像出来る……！楽しみにしてます！ (2020年7月7日 23時) (レス) id: b6e9739407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまだはなこ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年7月7日 16時
