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煌びやかなビルの明かりも消え去る真夜中
古いビルの錆びた螺旋階段を一段ずつ 噛み締めるように登っていく。
鍵の壊れた屋上のドアを開けると数年前に閉じた遊園地。懐かしいなと一歩踏み出す。
あの頃、買い物について行くと帰りには決まって屋上遊園地へ向かった。200円だけ遊べたあの時間がとても特別で大切なものだった。
そんな思い出のここは当時の面影を少し残しつつもただの物体になっていた。
諸行無常なこの世界だけれど、一向に変わることの無い現実がある。
そんなことに気づいたのはお恥ずかしながら社会人を数年務めてからだった。
新卒で入った会社。その会社は色々なことを教えてくださった。
御局様は何をしても良い事。
上のミスは下に擦り付ければ良い事。
新人は消えても良い事。
これに耐えられない人は社会人ではないこと。
いやぁ、私、耐えれなかったんですよね。一生懸命働いてみたんですけど。始発で向かって終電で帰ってきても終わることの無い仕事。帰宅してから有難い上司からのアドバイス。睡眠時間2.5時間。
世の中の社会人様は素晴らしいですね。
私はそのように生きられる体を頂けなかったみたいです....
そんな訳で転職活動させていただきます。あ、転職じゃなくて転生ですね。
錆びれたフェンスを登るスーツ姿の女性はきっと傍から見たら滑稽だろう。まあ、見られる訳でもないから良いんだけどさ。
結構高いし、揺れるのね。
ギシギシと音を立てるそれは今にも壊れそうである。1番上に着いて足を入れ替えようとした。
｢あ、ピンク！｣
｢ちょっと！｣
不意に聞こえる男性の声に驚いてバランスを崩してしまった。 あ、やばい。落ちる。あ、いいのか？
目をぎゅっとつぶり重力に習って痛みを覚悟する。
ドン、
.....早いし痛くない。
そーっと目を開けると目の前には登ったはずの錆びれたフェンス。
え？どゆこと？
｢あ、の！｣
『！？』
私の下から 先程の声が聞こえる
｢あはは！こうちゃん災難だね〜｣
｢とりあえず、退いてもらえますか。｣
『あっ、すみません』
ばっと、勢いよく立ち上がり体に染み付いた最敬礼でお辞儀をする
『この度は御迷惑をお掛けしてしまい大変申し訳ございませんでした』
｢はっ？いやいやいやそんな丁寧にナチュラルに最敬礼しないでよ！.....あ、しないでください。｣
顔を上げて、と言われてゆっくり上げると ふわりと笑う男性と、焦った表情をしている男性がいた。
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聡 - 最後のたくしくんきになるぅ (2020年8月7日 14時) (
レス) id: 3b6429b52f (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - いろさん» 読んでいただき、またコメントまでいただきありがとうございます..!!文章が綺麗だなんて1番幸せな言葉をありがとうございます...!!本当に嬉しい....!元ネタ知らなくても楽しめるよう文章を考えているので続き気になっていただけて良かったです！！ (2020年7月11日 22時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 初めまして！元ネタを知らないのですが文章が綺麗で続きを読む手が止まりませんでした…！応援してます…！ (2020年7月11日 17時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
やまだ(プロフ) - 黄色い恐竜さん» .....ファッ推しからのコメントっま！？うぇ、ありがたいですほんとにほんとにありがとうございますっっっ (2020年7月8日 0時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - 私も好きですって言いに来ました！元設定あまり知らないので新鮮な気持ちで読んでます！めちゃリアルに想像出来る……！楽しみにしてます！ (2020年7月7日 23時) (レス) id: b6e9739407 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまだはなこ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年7月7日 16時
