アールグレイ11 ページ38
your side
思い切って聞いてみると少し沈黙が続いた。上手くいったのか。はたまた引かれているのか。BPM190位の心音が電波を通じて相手に聞こえているのではないかと思うほどあたりは静寂に包まれていた。
気まずくなってこちらから声をかけようとするとため息が聞こえてくる
あ、これはやらかしの方向でしたか。一気に熱が冷め嫌な汗が垂れる
｢あのさ〜｣
いつもより低めの声で言う彼は何を続けて言うのか。
｢僕の心、読まないでくんない？笑｣
おちゃらけたようにも〜、と続けて言う彼に今度はこちらがため息をついた。もちろん安堵の。
｢電話かける理由なんて、用事がなければ声が聞きたい以外ないでしょ。｣
素直などストレートな言葉で言われて今度はこちらが押し黙る。
おーいと携帯の向こう側でよんでいる声を無視して聞こえないふりをした。
『あ、山本さん？』
｢めっちゃ無視するじゃん｣
『なんのこと〜あ、お仕事お疲れ様でした』
｢そちらこそ 勉強進んでる？｣
『誰かさんのおかげで大変困難でした』
｢ええ〜誰だろ〜｣
『とぼけないでください〜！』
なんだか、ねぇ？なんだか。ふふ。付き合ってるみたいじゃない？ そんなこと考えていることを声色には出さないようベッドに腰かけて足をじたばたする。
｢早くテスト終わって夏休み来て欲しいね｣
『そうですね〜』
｢そしたら楽しみあるもんね｣
『なんですか？』
｢ん？ 夏祭りデート｣
サラリと、極自然にそういう彼。
また固まってるでしょ、とけたけたと笑っている彼に反論しようにも事実過ぎて何も言えない。
どうしようと頭の中をぐるぐるさせ話題を変える
『あーあの！私の出した記事読みました！？』
無理やり話題を変えてきっとこれも突っ込まれるだろうと返事を少し期待して待っていた。
しかし、帰ってきた言葉は先程までのテンションとは180度真逆。
｢あ〜、うん。読んだ、かも｣
『かもってなんですかかもって。あれ伊沢さんにめっちゃ治されたんですよね』
その記事の思い出を伝えてみる それでも食い付きが悪い
｢あー、それは災難ね｣
『アネモネの花言葉がどうちゃらって...まあ間違っていた私が悪いんですけど』
ねっ、といおうとして被せるように返ってきた返事
かつて私が使ったセリフ でも、きっと思いは真逆。
｢ごめん、家ついたから ｣
そういってプツリを切れた電話
あぁ、最悪だ。変な話題転換なんかするんじゃなかった。
切れた直後から1人反省会は始まった。
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やまだ はなこ(プロフ) - Komeさん» ご指摘ありがとうございます！お恥ずかしい！！直しました、、 (2020年10月30日 8時) (
レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
Kome - 細かいですがprologueですよ。面白いです。 (2020年10月30日 6時) (レス) id: 86c7210f95 (このIDを非表示/違反報告)
やまだ はなこ(プロフ) - 大木さん» 読んでいただきありがとうございます！紅茶王子知ってる方に出会えて嬉しいです！構想練ってみます！ありがとうございます！ (2020年10月28日 15時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
大木(プロフ) - とても面白かったです。紅茶が好きで、わかるなぁとおもいなから拝読させていただきました。紅茶王子パロをもし作成されるならそちらも是非読みたいなと思います。 (2020年10月26日 21時) (レス) id: cd0c7018a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やまだはなこ | 作成日時：2020年6月12日 21時
