【QK】あなたの香水【ymmt】

アールグレイは考える ページ28

ymmt side


まさか 喫煙室で会うなんて。わざわざ避けていたのに。しかも以前に会ったことあるなんてそれどんな運命？なんて。

猫かぶってるのなんてこうちゃんと会話しているの見たらすぐ分かったけれど、喫煙者なんて意外。

タバコに火をつけると煙を見つめながら驚いた顔をする君

香水なんか綺麗なものじゃないんだよね ごめんね 煙草、変えようかなぁ。

お先に、と別れて数十分後でろでろに酔っている君と困った顔をしているこうちゃん。

こうちゃんと呑みにきてたんだ幼なじみ仲良いなぁ。
そんなこと思ってたら僕とかえるとか言い出すし。

酔っぱらいの言うことってちょっと振り回されるんだよね。

公園に連れて行って水買いに行ってる間にウトウトして寝ようとしているし。

2人で公園のベンチに座ってぼーっとする。
あの時もこうやって2人でベンチに座って、風で揺れる木を見ながら話したんだっけな。あの子はなんて言ったんだっけなぁ、確か。

｢なんで猫かぶりしているの｣

ああ、そうだ、そうだ。君にいいとこ見せたくてカッコつけて可愛こぶっていたらそうやって言われたんだった。君の香水が頭の中に入ってきて言い訳も上手く思いつかなかったんだよな。懐かしい。

背が低い僕を可愛いって、君が言ったから。

クイズ向いてるって、君が言ったから。

きみのためなんて表向きで君にいいように思われたくて猫かぶりしていたんだよ。

｢何、言ってんだろ｣

ふととなりにいる天野さんを思い出してちらりとそちらを見ると複雑な顔をしてこちらを見ていた

ごめんね、と伝えると首を横に振ってそのまま押し黙っていた。

酔い、覚めちゃったかな？

今の話忘れちゃうかも、なんて僕のこと気遣ってくれるんだ。

あ、恋ってこんな気持ちだったっけ。ずっと、ずっと忘れられずにいた。一生君だけに縛られていくんだと思ってた。

ね、僕もそろそろ進んでいいよってこと？
もう私に縛られなくてもいいよってこと？

君の香水の香りは忘れられそうにないけれど、君への想いは思い出に出来そうだよ。

あの時、僕を僕にしてくれてありがとう。

さて、どうやってこの子を振り向かせようかな。ちょっとずるい手使ってもいい？

シャツ、置いてったのもわざとだよ。

どうせ匂い嗅いだでしょ。 次オフィス行くの1週間後って分かってて置いてったの。

オフィスに取りに行くと 希望通りの結果。ニヤケを必死に抑えて天野さんに電話をかけ、会う約束を取り付けた。

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