アールグレイ4 ページ17
your side
『その香り、』
「はは、君が香水とか言ってくるから焦ったんだよー。」
タバコの匂いが着いていることもタバコを吸っていることもなんだか恥ずかしくて隠してしまったと苦笑いで伝えてくる彼
紅茶が好きって言うのも嘘だよってそれは少しショック。
口から出るその煙を見て
そういえばと、ふとあの日のことを思い出す
『ねぇもしかして、前もここで会いましたか?』
確証はないけれど。
あの時の記憶を呼び起こす あの日はこうへいと2人だし、とコンタクトもせず裸眼で行ったからあの時の彼の顔をはっきりと見ることが出来なかった
でもその煙はあのときの物と同じであることを体が覚えていた
「確か同期とファミレスでご飯食べて…うん。ここに寄った。確かにあの時の子だ。ラフな格好だったから全然気づかなかった。」
彼も思い出したのか私の顔をマジマジと見つめてきた
なんだか気恥ずかしくて顔を逸らす
『それ、なんのタバコですか?』
「紅茶の香りのタバコで調べたら出るんじゃない?」
『教えてくれないんですね ま、いいけど』
「バレちゃったなら優しくする必要ないじゃない?」
『いじわるですね』
「そういう天野さんこそ」
僕と同じ雰囲気してるもん
可愛く笑いかけてきたその顔は天使の裏に悪魔を隠し持っていた
「というか天野さんの最近の香りそれだったんだね バニラの甘い香り」
『嗅いでたんですか変態ですね』
「特大ブーメランだよ 初対面の時から匂い嗅いできたくせに」
『女子はいいの』
「男尊女卑」
『優しくしてください』
「むりです」
何だこの会話、と思いながらも自分のタバコと彼のタバコの匂いが重なって心地よくなる
少しの沈黙の後、彼が口を開く。
「ね、六情と六根って知ってる?」
いきなり意味のわからないことをいわれる
『なんですかそれ』
「ん〜 めんどくさいから説明は今度ね」
じゃあお先と短くなったそれを灰皿に捨てて出ていく彼
そこまで言ったなら言えよという前に出ていってしまった彼にモヤモヤしながらこうへいを待たせていることを思い出して自分もタバコを押し付けて席にもどる
遅いだの臭いだの文句を言ってくるこうへいの言葉は右から左に流れていく
私は山本さんの匂いが忘れられなかった
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やまだ はなこ(プロフ) - Komeさん» ご指摘ありがとうございます!お恥ずかしい!!直しました、、 (2020年10月30日 8時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
Kome - 細かいですがprologueですよ。面白いです。 (2020年10月30日 6時) (レス) id: 86c7210f95 (このIDを非表示/違反報告)
やまだ はなこ(プロフ) - 大木さん» 読んでいただきありがとうございます!紅茶王子知ってる方に出会えて嬉しいです!構想練ってみます!ありがとうございます! (2020年10月28日 15時) (レス) id: 42b7c3a68c (このIDを非表示/違反報告)
大木(プロフ) - とても面白かったです。紅茶が好きで、わかるなぁとおもいなから拝読させていただきました。紅茶王子パロをもし作成されるならそちらも是非読みたいなと思います。 (2020年10月26日 21時) (レス) id: cd0c7018a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまだはなこ | 作成日時:2020年6月12日 21時